リクルートとキーエンスの異なる成功アプローチ
連載1本めとなった前回記事「500社のリサーチから見えた、売上を上げるカスタマーサクセス組織をつくる3つのステップ」では、500社のリサーチ結果をもとに、「売上を上げるカスタマーサクセス組織づくり」に関して解説した。今回は売れない営業パーソンを売れるようにする“売り方”と“営業組織の仕組み”に関して、トレンドワードになっている「セールス・イネーブルメント」について解説する。
概念的な話はあらゆる記事やサイトで紹介されているため、それらに譲り、本稿は日本の企業でもセールス・イネーブルメントに成功していると考えられるリクルートおよびキーエンスの営業組織における取り組みを紹介する。
この2社は強い営業組織を持つことで広く知られているが、実は大きく異なる営業組織のつくり方をしている。端的に違いを伝えると、リクルートは社員の自主性、キーエンスは綿密な仕組みによって営業をマネジメントし成果につなげている。異なるアプローチをしている2社を比較し、共通項を見出すことができれば、それがセールス・イネーブルメントにおける成功要因になるのではないか、というのがこの2社を選定した理由だ。
当社にはリクルート、キーエンスそれぞれの営業出身のコンサルタントが在籍しているため、実体験を織り交ぜた比較を行った。また、成功要因を明確にしたうえで具体的にセールス・イネーブルメントを実現するための手順も紹介していく。