営業フロー改善を通じて組織全体の視座を高める
━━組織がアウトソーシング先の企業を選定するうえで、目を向けるべきポイントを教えてください。
ひとつは、「営業プロセスすべてをカバーしているか」です。具体的には、リード獲得からトスアップまでをワンストップで対応しているのか。そして、知見・ノウハウのみに依存せず、データに基づいたアプローチが行われているかも企業選びの軸に置くと良いでしょう。
また、より組織の体質に合致するアウトソーシング企業を選定するうえでは、「0→1」「1→10」「10→100」のどれに該当するかを意識することで、より高い成果を得られるのではないかと思います。一例ですが、我々のサービスは暗黙知を形式知とする「1→10」に特化しています。仮説検証にあたっては、主に当社が保有するデータベースから直接データの抽出を行い、各種数値を照らし合わせながらターゲティングを行ったうえでPDCAサイクルを回していきます。
逆に、依頼する際には、自社が抱える課題をひととおり整理しておくと良いでしょう。明確に認識することが難しいとしても、たとえば「組織」「戦略」「ツール」のどれに該当するのか、あるいは3つを横断する複合的な課題なのか、などの視点で整理されると良いかもしれません。
━━社内でPDCAを回して組織改善に取り組んでいく選択肢がある中で、「外部パートナーの力を借りるべき企業」「借りなくても良い企業」の見分け方を教えていただけませんか。
「組織」「戦略」がある程度整備され、なおかつ「ツール」を持て余すことなくフル活用できている組織はアウトソーシングに頼らなくても良いかもしれません。とはいえ、これまで多くのお客様にヒアリングを行ってきましたが、リストが潤沢で、インバウンド・アウトバウンドの両方が内製で完結している企業は極めてレアです。言葉を換えると、BPOのメリットは大半の企業が得られるはずです。
注意するべきは、自社独自のやり方を貫き「上手くいっている」と自認する企業であっても、知らず知らずのうちに潜在層を逃してしまっているケースがあるということです。「そうは言っても、売上は上がっていますよ」とおっしゃるのですが、中長期的な目線で組織の成長を見据えるのであれば、そうした「秘伝のタレ」は見直す必要があるでしょう。短期的に結果を求めてしまうと、どうしても顕在層の刈り取りにフォーカスせざるを得ません。成長し続ける組織になるためには、まずは中長期的な視野を持つと良いでしょう。
━━営業フローそのものだけでなく、組織のマインドセットを再構築する側面もあるということですね。
我々はSales Driveを通じて営業リソース・ノウハウが不足する組織の営業フロー構築にコミットするだけではなく、プロセスを構築する過程で、より強い営業組織になるためのノウハウやマインドセットも併せて提供しています。いわば、営業フローを構築しながら組織全体の視座を高めて、ハード・ソフトの両面で営業組織全体が強化されるイメージです。
BPOは劇的な成果を即座に得られるような魔法にはなり得ません。その分、PDCAサイクルを何度も回していくうちに、その組織に即した「勝ちパターン」の精度が着実に高められ、組織の成長につながるのは間違いありません。中長期的な目線で、「自走しながら持続的に成長できる組織になりたい」方々の力になれると自負しています。