データは一元管理してこそ効果を発揮する
セッションの後半、小澤氏はカスタマーデータプラットフォーム(以下、CDP)プロバイダとして事業を展開するトレジャーデータの歴史を振り返りながら、ポストコロナ時代に力を発揮するCDPの有用性を紹介した。 CDPは各事業部が持つさまざまなデータを活用し、トラッキングする顧客のリアルタイム行動データの集約を通じて、より精緻なパーソナライズを行うツールだ。
オンラインセールス時代の昨今、ビジネスフェーズごとにテクノロジーを介在させる組織は珍しくないものの、それらを統合した一元管理を実現できている企業は少ない。また、各顧客接点から収集されるデータがサイロ化してしまっている組織が多い点も阿部氏は課題として指摘する。
収集したデータを統合し、機械学習を通じて「活用可能」な状態に整えるCDPは、阿部氏から語られた営業活動におけるデータ活用課題に対する解決策として有効だ。
ひとつの事例として、小澤氏はパーソルプロセス&テクノロジーの活用事例を紹介した。サービスや質の標準化に対する課題を抱えた営業組織に対して、「営業プロセスの見直し」「営業パーソンのイネーブルメント」という2点にフォーカスして改革に取り組んだと語る。
なお、データに基づいた課題解決を実現していくうえで活用されたのは顧客との電話で交わされた「会話」だ。これらをテキストデータとして可視化することでプロセスの改善や営業スキル向上に役立てられたのだという。オープンクエスチョンとクローズドクエスチョンの比率を出し分け、それらの比率を微調整することで最適な比率を導き出したり、トップセールスのトークスクリプトをテキストマイニングにより分析し、若手営業の教育に活用したりするなど、「プロセス」と「人」の両軸の改善に取り組んだ。
セッションの終盤、デジタル時代に即したBtoBセールスのプロセスを最適化するうえでは、新しい取り組みは避けて通れない。そうした新たな一歩を踏み出すうえでは、散在しているデータを統合し、いつでも活用可能な状態に整えることこそが、ブレイクスルーの鍵になると小澤氏は改めて強調する。また、阿部氏も営業・マーケティング活動のデジタル化は「取り組まない、という選択肢はない」と述べたうえで「マーケティング・セールスのデジタル化は、とにかく早く対応するべきです」と視聴者を鼓舞し、セッションを締めくくった。
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