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ニューノーマルの営業組織に不可欠なコンテンツ管理とは? 組織の高度化を実現する「Handbook」

2021/03/02 11:00

 SalesZineは2021年1月26日から27日の2日間、「SalesZine Day 2021 Winter」を開催した。今回は、「Customer Centric Sales 真の営業力を高めるSales Techと実践」をテーマに、営業組織の基本である「顧客中心」に立ち返る各社の取り組みが紹介された。アステリア コミュニケーション本部エバンジェリスト 松浦真弓氏は同社が提供するコンテンツ管理ソリューション「Handbook」にフォーカスし、「営業力を強化するセールステックの活用法と事例」と題した講演を行った。

オンライン営業では「商談の中身=営業コンテンツ」が成否の鍵を握る

 昨今、新型コロナウイルス感染拡大の影響であらゆる業務のオンライン化が進んでいるが、アステリアではオンライン営業を含むテレワークへの取り組みを以前から進めてきた。現在は全社でテレワークを標準化し、セールステックソリューションを顧客に提供するとともに同社でも活用している。このような背景のもと、講演では同社がソリューションを活用する中で蓄積したノウハウを含め、セールステックで営業課題を解決する手法を紹介した。

 ひと口にセールステックといっても、SFAやオンライン商談アプリ、セールス・イネーブルメントやカスタマーサクセスに特化したものなど、目的によってさまざまなソリューションがある。アステリアのコンテンツ管理ソリューション「Handbook」は、継続的な営業成果を実現するセールス・イネーブルメントのツールだ。

 一方、講演冒頭で松浦氏は「これらのツールを入れるだけで営業の課題が万事解決するわけではなく、正しい課題認識と具体的な取り組みが必要」と述べ、ニューノーマル時代における営業の課題を整理した。

 
アステリア株式会社 コミュニケーション本部 エバンジェリスト 松浦真弓氏

 営業のオンライン化が急速に進み、最近では、初回提案からクロージングまでオンラインで完結することも増えている。オンライン営業と対面営業のいちばんの違いは、仕草や表情、顔色といった、非言語情報の量だ。対面営業であれば、これらの非言語情報をもとに次のトーク内容を考えることができるが、オンラインではそれもなかなか難しい。裏を返すと、オンライン営業では「商談の中身そのものの質」がより重視されると言える。

 商談の中身は「何を(What)伝えるか」、そして「どう(Who、When、Where、How)伝えるか」というふたつの要素で構成される。このうち「どう伝えるか」には、営業活動や顧客の状態を管理するSFA/CRMなどのツールを活用しながら、取り組みを進めている企業も多い。一方で「営業担当者がお客様に何を伝えるか」については、まだまだ取り組みが進んでいない企業が多いのではないかと松浦氏は指摘する。

「何を伝えるか」は、カタログ、提案資料、パンフレット、トークスプリストなど、いわゆる営業コンテンツを指す。商談の質が成否を左右するオンライン営業においては、これらのコンテンツを営業の武器として全員が使えるように標準化・高度化することで、営業活動全体の標準化・高度化を実現できる。

Handbookで、優秀な営業のコンテンツ活用ノウハウを組織全体に展開

 一般的に優秀な営業は、提案に活用するコンテンツの内容をよく理解し、知識をためて臨機応変にお客様に提案できるという特徴がある。それに対し成績が伸びない営業は、コンテンツの内容をよく理解していなかったり、場合によっては活用すべきコンテンツの存在すら知らなかったりする状況がある。このような状況においてHandbookなどのセールステックを活用するメリットのひとつは、コンテンツの利用ログを参照できることだ。「いつ誰がどのコンテンツをどのように使ったか」のログが残るため、優秀な営業のコンテンツ活用ノウハウを全員が応用すれば、提案の標準化が実現する。

 「どのコンテンツが営業成果に貢献しているか」を正確に把握することは、営業の高度化の大きなポイントとなる。松浦氏は、ある企業におけるコンテンツ利用状況の分析例を紹介した。この例では、売上上位グループは「導入メリットに関する資料」を、売上下位グループは「商品紹介資料」を主に使っていることが明らかになった。

 

 もうひとつの分析例では「キャンペーンチラシの閲覧数と売上が連動していない」という現状が把握できた。それによって、「キャンペーンの内容を見直す必要がある」「キャンペーンに関する説明の仕方を見直す必要がある」「タイミングの問題である」など、営業における仮説の設定が可能になったという。

 このように「活用するコンテンツと営業成績の相関性」を把握することで、もっと売るためには何を伝えればいいか、という改善施策を立案することができるようになる。松浦氏は「把握した現状をもとに、PDCAを回して営業活動をアップデートしていくことが重要」と強調する。

 セールステックでコンテンツを管理することにより、商談の課題を見える化し、次のアクションを生み出すことができるようになるのだ。

 

3社のHandbook活用事例を紹介 コンテンツ管理で組織の属人化を解消

 講演の後半ではHandbookの活用事例が3つ紹介された。

 タイヤの輸入、販売、各種サービスを展開する日本ミシュランタイヤでは、販売店向けに営業支援のコンテンツをHandbookで配信している。常に最新の資料が配信されるため、誤って古い資料を顧客に提示することを防ぎ、提案の質を担保することができる。また、提案資料以外にもコストや空気圧のシミュレーションなど、顧客が求める情報に応じてコンテンツをすぐに表示できる。さらに、同社の販売店ではもともと資料をタブレットで顧客に見せながら商談を行うのが一般的だったことから、コロナ禍でもこれまでの提案スタイルをそのままオンラインに展開できたという。

 食品加工機械の製造販売を手がけるアサヒ装設では、数十種類に及ぶ製品の機種ごとに、カタログ、仕様書、図面、動画、価格表などをひとつのセットにまとめ、顧客の要望に合わせて必要な資料をすぐに見つけられるようにしている。また、このセットの中にアンケートを入れることで、コンテンツを活用した営業現場の声をタイムリーに収集し、継続的なコンテンツの改善サイクルを構築している。

 

 また自然健康食品を販売するサン・クロレラジャパンでは、コンテンツへのアクセスログを営業成績別に分析することで「製造工程を説明する動画で品質を訴求する」という営業手法の有効性を把握。それを組織全体に展開し、営業の標準化・高度化を実現した。

 活用事例からもわかるようにHandbookは、スムーズな商談、顧客満足度向上、ファイル管理の効率化を実現する、現場の使いやすさに特徴があるツールだ。また、Boxなどのクラウドドライブと連携でき、コンテンツをスムーズに標準化できることから、管理者側にとってもチームの属人化を解消する強い味方となる。

 講演の最後に松浦氏は、ニューノーマル時代に営業力強化を実現する取り組みとして「コンテンツ管理で商談の中身を見える化・管理する」「コンテンツのPDCAサイクルで営業の武器を磨く」「セールステックツール活用で、オンライン・オフライン両方に対応する」の3つを掲げ、「コンテンツの管理・活用で、成果につながる営業を実現してほしい」と営業組織にメッセージを送った。

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