宮田、富安それぞれへの個人インタビューはこちらをご覧ください。
SalesZineを立ち上げた20代のふたりに聞く 営業と編集のあるべきチームとは
ーーSalesZineにおける、広告営業と編集の仕事と役割分担を教えてください。
富安(営業) 僕は広告営業として、メディア「SalesZine」の売上に責任を持つ媒体担当を務めています。少し飛躍になるかもしれませんが、SalesZineというプロダクトをどう位置づけるかを考えるブランドマネージャーの役割を担っていると自負しています。具体的にイベント「SalesZine Day」を例に挙げて説明するなら、現状はメディアがこの位置づけだからこういった価値が提供できる、だから協賛フィーの値付けはこうしようという考えかたで進めていきます。ほかの広告メニューも、根本となる考えかたは同じです。
宮田(編集) 営業と編集は作業が異なりますが、SalesZineというプロジェクトをどう進行していくかについて、追っている目標は同じだと思っています。富安さんがブランドマネージャーなら、私はコンテンツを作っているプロダクトマネージャーでしょうか。
ーーとくに営業と編集の連携が必要になる仕事として、広告案件があると思います。初年度の予算を達成するため、ふたりはどのように連携していったのですか?
富安 実は、僕が広告課に異動したのは2019年の4月と、SalesZineオープンと同時です。営業に成り立てだったこともあり、オープン当初はSalesZineの媒体担当としても、個人の営業としてもトライ&エラーを繰り返していました。当時は、Sales Tech市場が盛り上がり始めたくらいの時期だったため、新規のクライアントへのご提案を続けましたが、実際の案件にはつながりづらく苦心しました。編集部には、クライアントのプレスリリースのニュース化を頼むなど、バックアップしてもらっていました。
宮田 富安さんは、SalesZineのコンテンツをとても良くチェックしてくれています。こまめな情報交換はSlackで都度行っていますが、本格的な広告企画を練るのは、隔週で行っている会議の場です。「このジャンルが熱いから、関連する記事があると良い」「クライアントからこんなお問い合わせをいただいたから、この企画なら実現するかもしれない」といったアイデアをもらい、参考にしています。
富安 SalesZineは本当に良いタイミングで生まれたメディアだと思います。案件が生まれる起点は、世の中の動きがいちばん大きいと思うんです。時流に乗ったメディアだからこそ、ビジネスが回っていくのであって、自分たちが生み出すプロダクトが市場にフィットしているかのPMFの視点は前提条件としてすごく重要なんだなと。 営業と編集は作業が違うけれど追いかけている目標が同じだというのはすごく共感するところです。僕も、編集部に劣らないよう情報収集に努めていますが、そのほうが話が早いしやりとりもスムーズだと考えているからです。
宮田 たしかに、富安さんは話が早いなと感じます。SalesZineの予算は、営業と編集共通の目標です。それを達成するために、必要な広告企画の数を割り出してアイデアを練り、引き合いをいただいているクライアントにはそこにあわせた企画を考え、広告価値を高めるためにSalesZineブランドに磨きをかけていくということをやっていきました。より良い企画を考えるためにも、富安さんはクライアントから密に情報収集し、私は読者にどう届けるかを考えます。読者にとっても意味のある企画が実施できれば、結果として、クライアントにも成果でお返しできると思います。オンライン施策もリアルなイベントも、この点では同じです。
オープンから3ヵ月後のリアルイベント開催でSalesZineへのニーズを確信
ーー初年度ながら無事予算を達成しました。軌道に乗ったのはいつですか?
宮田 オープン3ヵ月後の7月には、第1回のイベント「SalesZine Day 2019 Summer」を開催しています。読者もクライアントもついてきてくださったので、SalesZineの需要があるという、ひとつの自信にはなりました。
富安 たしかに冷静に振り返ってみると、第1回のイベント開催までが早い(笑)。リアルイベントは準備に3ヵ月はかかるので、4月には開催を決めていたってことですもんね。
宮田 オープン前にも、メディアのご紹介や情報収集のためさまざまな方にお会いしていたのですが、すでにSales Techベンダーの皆さんの盛り上がりが感じられました。Sales Techの情報を届けたいという方はたくさんいらっしゃる。ただ、その情報を受け取りに実際にイベント会場に足を運んでくださる方がどれだけいるかは不安でした。第1回のイベントをなんとかやり遂げ、来場者の方が営業分野へのテクノロジー活用に困っていらっしゃることがわかり、情報の受け取り手にも需要があることを確信しました。
富安 正直なところ、僕は異動して3ヵ月だったこともあり、自分が担当しているメディアがイベントをやることの重みをよくわかっておらず、だからこそ緊張もしないという状態でした。より思い入れがあるのは、1月に開催した第2回「SalesZine Day 2020 Winter」です。規模も拡大し、媒体担当としての自覚もあるうえでの開催だったので、手応えを感じました。
宮田 第1回は、250名の方に事前登録いただいていましたが、第2回は500名超えでしたもんね。
富安 ウェブについては、既存のメニューとは別にebookという、読み物コンテンツを中心とした編集部がまとめるホワイトペーパーの広告プロダクトを作りました。社内でも評価してもらい、自分でも「これはいけるだろう」と自信を持っていた企画が、結果としてひとつも受注が決まらなかったという経験があります。もうこの企画はあきらめなくてはと思ったタイミングが、ちょうど通期の予算達成の確度がそろそろ決まるという時期だったんですよね。
宮田 単発の案件は途切れずいただいていたのですが、自分たちで考えた広告メニューが形になったのは12月でしたよね。
富安 こちらもebookですが、企画は別のものでした。「こういう企画を待っていた」というお声もいただき、クライアントのニーズにあった企画を立てられたのかなと思っています。その際、商談でのトークのような自分の営業スキルを磨くことも重要だけれど、そもそもニーズがないモノは売れないんだなと気づきました。発想を変えれば、ニーズをつかめれば売れるし数字も作っていけるということです。
宮田 初年度ですから事例もなく、外れた企画の何がダメだったのかを検証する材料も少ないという状況だったけれど、トライ&エラーを何度も何度も重ねて、クライアントにたくさん教えていただいたということですよね。最初の頃の企画も企画自体が悪かったわけではなく、メディアに対する認知度も原因だったかもしれない。新しくできたものを伝えるって、難しいですよね。たとえばテクノロジーにそれほど強くない方に、Sales Techのメディアをどう伝えるのか。そこは富安さんがとても工夫してくれています。
富安 提案書や媒体資料を作る際には、視覚的にも伝わるようにグラフを作ったり、客観的な数字を入れてみたりと気を遣っています。四半期に一度媒体資料をアップデートするため、それが自分たちのメディアの業界内での立ち位置や存在意義を再確認する良い機会になっています。
ーーメディアが軌道に乗っていく過程で、チームとしての変化はありましたか?
宮田 富安さんは入社2年目、広告営業に成り立てでの媒体担当でした。私が広告営業を経験していたこともあり、当初は、広告のことも私が考えなくてはいけないかなと思っていました。でも一緒にアポに行くと、富安さんがSalesZineのことを私とは違う視点で説明してくれました。年の後半になると、富安さんのプレゼン力は広告課内でも認められるようになっていました。SalesZineのことをよく理解し売ってくれる人ができた、ひとり編集部としてはとても安心できたタイミングです。
富安 案件が増えてきた頃、宮田さんがたいへんそうだなと思いながらも、営業としては喜ばしいことだなと思いましたね。だからこそ、早く仲間に来てほしいのですが。
宮田 私がたいへんそうにしていると、富安さんはお菓子をくれましたよね。
富安 宮田さんからは靴下をもらったことがあります。
宮田 お互い、編集として、営業として1年目でのメディアの立ち上げでしたから、メンタル面でつらい時も当然ありました。どちらかが落ち込んでいるときに、もう片方が気にしているという関係になれたかと思います。それは、チームとしてのコミュニケーションなのかもしれません。なおこの対談には登場していませんが、私たちの自信になったイベントを支えてくれた、イベント課の川上さんがいます。SalesZineが良いスタートを切ることができたのは、彼女の力によるところも大きいです。イベント課も含めてSalesZineのチームです。
小さいチームだからこそ、決断力と推進力が磨かれる
ーー2020年4月からSalesZineは2年目に入ります。今後の展望を聞かせてください。
宮田 編集部としては、テクノロジーにそれほど馴染みがなかった方にもSales Techを学んでいただける記事や講座など、コンテンツを増やしていきます。チームで営業を頑張っている人たちに光が当たるような企画も、営業とともに作っていきたいですね。
富安 短期的には、SalesZineに広告が掲載されることがひとつの称号になるよう、SalesZineのブランド力をもっと上げていきたいです。長期的には、SalesZineがコンテンツや機会を提供することで、今SalesZineを読んでくださっている法人営業の方たちの地位が向上し、営業という職種を見る世の中の目が変わっていくようになったらと考えています。
宮田 富安さんは「こんな記事をやったらどうですか」というアイデアをくれます。編集としてはそれではいかんなと思うところもあるのですが、メディアのことをすごくよく考えてくれている媒体担当からコンテンツのアイデアをもらえるということは、良い関係が築けているということだととらえています。
ーーSalesZineをはじめ、翔泳社のメディア部門で経験できることとはどのようなことでしょうか。
宮田 SalesZineに限らずですが、ウェブメディアは少人数のチームで運営しています。仲間に加わってもらったら、何かしらのプロジェクトに責任を持つことになるでしょう。それを重いと感じるかもしれませんが、新しいチャレンジへのハードルが低い環境ではあります。SalesZineについて言えば、営業職向けにやりたいことがある人は今がチャンスだと思っていただいて間違いないと思います。
富安 リモートワークが一気に広まり、市場も拡大するなど、ITは良い意味で揺れ動いている業界です。そういった環境で仕事をしてみたい人には、おもしろいと思います。広告営業に限って言えば、媒体担当のほか、広告主別にクライアント担当を持ちます。担当になると、そのクライアントのことに関しては、社内で誰よりも詳しくなれるんですよね。おそらく、編集には良い話ばかり届くでしょう。広告営業なら、よりリアルでナマナマしいところに携われるのが魅力だと思います。
宮田 ITの知識はなくても問題ないと思います。翔泳社のメディアは、ほとんどが職種や業界カットのバーティカルメディアです。営業も編集も、その職種や業界がどういうものかを学ぶところから始めていきます。
富安 僕は、先輩への営業同行はたった1ヵ月しか経験していないはずです。そんな僕でも、新しいメディアの媒体担当になりました。良いメディアを持たせてもらえた感謝しかないですし、任せてくれる環境で良かったと思っています。
宮田 私たちはどちらも20代ですが、自分がやりたいと思った企画には責任を持ちますし、たとえばイベントをやるかやらないかといったことの最終決断もさせてもらえます。アポに先輩についてきてもらうと、相手の方が頼りになりそうな先輩に向けて話すといったことが起きますよね。強制的にひとりになり、決めるということを繰り返してきたことで、決断力はついたと思います。この先どんな仕事についても、人に聞かないと何も決められないのではなく、自分で決断することができると思います。決断できる力は、ビジネスパーソンとして重要なスキルのひとつではないでしょうか。
富安 メディアを運営するチームが目指す目標のひとつに、メディアをマネタイズし、さらに投資してより良いコンテンツを届け続けることがあります。僕は、その目標を達成するために広告営業の役割とは何かを考え、日々の業務に向き合ってきました。この先もし違う仕事をすることになっても、その時の自分の役割を考え、チームの目標達成を目指して日々の業務を行うという姿勢でビジネスに携わることができるのではと思っています。
ウェブメディアをともにつくる仲間を募集中
翔泳社では、SalesZineはじめウェブメディアをともにつくる仲間(編集、広告営業)を求めています。ご応募お待ちしております。
※リモートワーク推奨のため、面接は基本的にオンラインでの実施となります。