ラクスが提供するメールマーケティングサービス「楽楽メールマーケティング」は、Sansanが提供する中小企業向け名刺管理サービス「Eight Team」と共同で、BtoB中小企業に勤める営業マネージャー300名を対象に「中小企業の新規開拓に関する実態調査」を実施した。
新規開拓手法は成果の高い「紹介」に集中。中小企業では依然として根強いアナログ営業

新規開拓のために実施しているアプローチ手法として、「既存顧客や知人からの紹介」が60.7%、次いで、「代表電話への架電や飛び込み営業」(30.7%)という回答となった。

また、最も商談創出につながっている手法に限定すると、「紹介」は52.0%と半数以上を占める一方で、ほかの手法はいずれも12%以下にとどまった。
「紹介」が高成果を生む手法として中小企業の新規開拓を牽引している実態が明らかになった。しかし、ほかの手法との間に成果の差があることは、さまざまな中小企業にとって「紹介」に代わる再現性のある能動的な新規開拓手法の確立が課題であることを示唆している。
「紹介を主力とする企業」に顕著な、KPI未設定という戦略的なマネジメントの課題

新規開拓業務を評価する指標(KPI)について、全体では39.0%が「明確に設定された指標(KPI)はない」と回答した。成果につながる活動を定量的に判断する基準を持たずに、日々の営業が行われているケースが少なくなかった。

また新規開拓を「紹介」に頼る企業では、「明確に設定された指標(KPI)はない」と回答した割合は59.0%だった。「紹介」という受動的な手法への依存が、営業活動を管理・評価する仕組みの導入を遅らせる一因となっている可能性が考えられる。
紹介依存とアナログ営業の相関:61.5%が「ほぼ手動」と、ツール活用は限定的

新規開拓におけるツールの活用状況では、全体で42.0%の企業が「ほぼ手動で行っている」と回答した。

一方、「紹介」を主力とする企業に限定すると、「ほぼ手動で行っている」の割合は61.5%だった。これは全体平均より19.5ポイント高い結果であり、「紹介」への依存とツールの活用の遅れに相関が見られた。能動的な開拓活動の必要性が低いことが、ツール導入による業務効率化の優先度を下げていると考えられる。
関係構築の意識とは裏腹に、「見込み客フォロー」の不足

受注確率を高めるうえで最も注力すべきプロセスとして、マネージャーの多くは「関係を構築し、顧客課題を特定する」(28.7%)と、営業の初期段階を重視していることがわかった。

その一方で、すぐに商談化しない見込み客に対する継続的なアプローチについて、40.7%が「特に行っていない」と回答した。
営業マネージャーは関係構築の重要性を認識しているものの、実際には獲得した顧客接点に対し、継続的なフォローの仕組みが整っていない状況がうかがえる。
【調査概要】
調査名称:中小企業の新規開拓に関する実態調査
調査対象:従業員数300名以下のBtoB中小企業の営業職で管理職をされている男女300名
調査エリア:全国
調査期間:2025年10月6日~同年10月12日
調査方法:インターネット調査
