IDC Japanは、2018年の国内ITサービス市場のベンダー売上ランキングを発表。
2018年の国内ITサービス市場は5兆6,664億円で前年比成長率は2.1%。ベンダー売上の上位5社は、1位から順に、富士通、日立製作所、NTTデータ、NEC、IBMとなった。NECが、2位から4位に順位を下げた一方で、日立製作所とNTTデータが順位を上げている。
サービスセグメント別に見ると、プロジェクトベース市場では、製造や流通、政府/公共分野を中心に既存システムの刷新/更新需要の拡大により、上位10社すべてがプラス成長。安定成長が続くマネージドサービス市場では、上位ベンダーのランキングに大きな変化はなく、富士通が1位をキープしている。サポートサービス市場では、縮小傾向が続くハードウェアサポート&保守市場の影響を受け、上位10社のうち3社はマイナス成長となっている。
産業分野別に見ると、金融向けは、メガバンクのシステム統合案件の反動減を、保険やクレジットカードなど、銀行以外の案件でリカバリーする状況が続いている。製造向けでは、三菱重工の情報システム子会社を買収したNTTデータが20%を超える高成長。政府/公共向けは、官公庁や大手電力会社向けの大型SI案件によって売上を伸ばした日立製作所が前年の3位から1位に順位を上げている。
前年比の売上成長率がもっとも高かった大手ITベンダーは、前年同様、アクセンチュア。アクセンチュアは、すべての産業分野で2桁台後半以上のプラス成長を遂げ、ITサービス事業が大幅に拡大している。
IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの木村聡宏氏は「ITサービスベンダーが、DXを事業機会として取り込むためには、企業のデジタルジャーニーを理解し、事業モデルの転換とビジネスプロセスの変革を急ぐべきである」と述べている。
本発表の詳細は、IDCが発行したレポート『国内ITサービス市場シェア、2018年:既存システムの刷新/更新需要が成長を支える』に報告されている。本レポートでは、国内ITサービス市場における大手ITサービスベンダーの競合状況を把握するため、大手ITサービスベンダー各社の売上をサービスセグメント別/産業分野別に分析している。