大日本印刷(以下、DNP)と、企業のダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)の推進を支援するチェンジウェーブグループは「仕事と介護の両立支援」の領域で資本業務提携を締結した。
資本業務提携の狙い
経済産業省は、2030年時点でビジネスケアラーが約318万人になると推計している。介護による労働者の生産性低下が日本全体に与える経済的損失額は約9兆円になると試算しており、「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」(※)を2024年3月に公表した。2025年4月施行予定の「改正育児・介護休業法」では、企業に対して、仕事と介護の両立支援制度等に関する情報提供や相談窓口の設置など、雇用環境の整備が求められている。
こうした社会課題の解決に向けて両社は協業を開始した。独自の高度なセキュリティ技術を活かしてデータ流通事業を展開するDNPと、仕事と介護の両立支援プログラム「LCAT(エルキャット:Lyxis Care Assistant Tools)」を中心に、国内大手企業のビジネスケアラー支援を手がけるチェンジウェーブグループが、互いの強みをかけ合わせて、ビジネスケアラーが抱える課題を解決するソリューションを開発する。
主な業務提携の概要
1.「仕事と介護の両立支援」のソリューションを共同で開発・販売
企業の社員に対して定期的な実態調査を行うLCATにより可視化した社員や組織の介護リスクに対して、ビジネスケアラーの困りごとを解決してニーズを満たすサービス提供のソリューションを共同で開発し、販売する。
2.企業の人事部門向けのソリューションを共同で販売
ビジネスパーソンの仕事と介護の両立を支援するプログラム「LCAT」など、チェンジウェーブグループが提供するサービスをDNPの全国規模の営業ネットワークを通じて販売する。DNPの営業力を活かして当サービスを販売すると同時に、DNPが展開する関連製品・サービスとの連携によって付加価値を高め、両社の関連事業を拡大する。
大日本印刷 常務執行役員 千葉亮太氏のコメント
DNPは「人と社会をつなぎ、新しい価値を提供する。」という企業理念のもと、様々な社会課題の解決に取り組んでいます。国内では超高齢社会を迎え、介護による労働者の生産性低下も懸念される中、今回の資本業務提携により、より多くの働く人たちの「仕事と介護の両立支援」に貢献できるよう、豊富な実績を持つチェンジウェーブグループと共に、ビジネスケアラーの課題解決に向けた新しい価値の創出に取り組めることに大いなる期待と喜びを感じています。
チェンジウェーブグループ 代表取締役 佐々木裕子氏のコメント
チェンジウェーブグループは、「人、組織、社会のまだ見ぬ可能性を開く」ことをミッションとし、仕事と介護の両立に不安を抱えるビジネスパーソンのリアルに向き合ってきました。2025年問題が眼前に迫り、働き手不足と介護ニーズの高まりが同時並行で加速する中、今回の提携により、DNPの総合力をもって、ビジネスケアラー問題を創造的かつ加速度的に解決していけるソリューションを共に生み出せることを、心より嬉しく思います。