帝国データバンクは、人手不足に対する企業の見解について調査を実施。本調査は、TDB景気動向調査2019年4月調査とともに行った。
2019年4月に働き方改革法が施行され、長時間労働の是正や生産性の向上に取り組む機運の高まりが予想されているが、帝国データバンクの「働き方改革に対する企業の意識調査」によると、人手不足はこうした取り組みにマイナスの影響を与える可能性があるという。
有効求人倍率の上昇や失業率の低下など労働市場の需給はひっ迫しており、人手不足にともなう人件費の上昇などコスト負担の増加は企業活動に悪影響を及ぼしかねないからだ。一方で、就業機会の拡大は求職者にとって好材料となっているという。
本調査によれば、正社員が不足している企業は50.3%で1年前(2018年4月)から1.1ポイント増加し、4月としては過去最高を更新した。業種別では「情報サービス」(74.4%)が最も高く、「農・林・水産」(71.1%)も7割を超えた。以下、「運輸・倉庫」「メンテナンス・警備・検査」「建設」など6業種が6割台となった。不足感が強い上位10業種のうち8業種で1年前を上回っている。
正社員の不足状況を従業員数別にみると、従業員数が「1,000人超」の企業が63.1%でトップとなり、「301~1,000人」(61.5%)が続いた一方、「5人以下」の企業では34.5%となり、「1,000人超」と28.6ポイントの差がみられた。従業員数が多い企業ほど人手不足感が強い傾向がみられた。
調査期間は2019年4月15日~30日。調査対象は全国2万3,174社で、有効回答企業数は9,775社(回答率42.2%)。なお、雇用の過不足状況に関する調査は2006年5月より毎月実施している。