MILIZEは、生成AIを活用した、金融機関のリテール営業サポートサービス「FinAd(フィンアド)(α版)」を開発した。AIがお金に関するアドバイスの文章を自動生成することにより、個人営業やファイナンシャルアドバイザーをサポートする。本サービスは、今冬にリリース予定。
開発の背景
金融機関のリテール営業の担当者は、資産運用、保険、ローン、相続対策など、多岐にわたる金融サービスを扱って営業を行う。主に個人や個人事業主の顧客と会話をする際に、顧客の個々のニーズや状況に合わせた情報提供や、わかりやすい説明が求められる。
このような顧客対応能力を高めるためには、上司からの指導や個人の現場経験だけでなく、組織としてアドバイスのノウハウや相談ストーリーを蓄積していくことが重要となる。
そこで同社は、生成AIを活用することで顧客に合わせたアドバイスの文章を自動生成してノウハウを蓄積し、AIが営業のサポート役となる、金融機関のリテール営業サポートサービス「FinAd(α版)」を開発した。
サービス概要
金融機関のリテール営業サポートサービス「FinAd(α版)」は、顧客管理システムと連携し、ChatGPTを活用することで、顧客の属性に応じたお金に関するアドバイスを生成する。利用シーンとしては、営業担当が対面営業においてタブレットで使うほか、顧客用のチャット画面を使ったコミュニケーション時に利用するなどの場面で利用が可能。
特徴
1. 生成AI(ChatGPT)の活用
「顧客情報をどのように提案に活かして良いかわからない」という若手営業員をAIがサポートする。たとえば、ライフプランシミュレーションをしたあとのアプローチ方法をサポートする。
2. パーソナライズ化されたアドバイス
顧客管理システム(Salesforceなど)やライフプランシミュレーション(milizeProなど)と連携をすることで、よりパーソナライズされたアドバイスを生成することが可能。またDatabricksを活用することで、DB化することなくタイムリーにデータを扱うことができる。
3. セキュリティ対策
本サービスはMicrosoft社のAzure Open AI Serviceを利用。生成AIに与えた内容や回答は利用企業の環境内で保護されるため、生成AIベンダーの学習データに利用されることはない。
どんな質問に対応できるか(質問例)
- 「新規顧客と初めてお会いするときのアイスブレイクネタを考えてください」
- 「予算を踏まえて削減できる支出を考えてください」
- 「以下の顧客情報から豊かなセカンドライフに必要な資金を提示してください」
- 「以下の顧客情報から投資期間の目的に応じて、資産クラスの選択や分散投資のアプローチを提案してください」