HubSpot Japan(以下、HubSpot)は、2023年度版サステナビリティーレポートを公開。「気候変動アクションへの投資」「従業員とコミュニティーにおける平等性の実現」「グッドガバナンスの実践」という3本の柱を軸とした同社のESG(環境、社会、ガバナンス)への取り組みの進捗状況と、今後の注力領域を発表した。
HubSpotでは、2021年よりサステナビリティーレポートを発表している。3度目の発表となる2023年版サステナビリティーレポートで開示した内容は、SASB(サステナビリティー会計基準審議会)の勧告に準拠し、GRI(Global Reporting Initiative)、金融安定理事会のTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)を参照して作成。ビジネスの持続可能な成長が見込まれる領域をHubSpotが特定、測定、管理できるようになっている。
2022年度(2022年1月~12月)の活動のおもな成果と今後の注力領域は次のとおり。
2023年度版サステナビリティーレポートのハイライト
1.気候変動アクションへの投資
- 2040年までのネットゼロ達成を目標として、気候戦略への投資を強化。再生可能エネルギーの購入とEAC(エネルギー属性証明書)の購入を組み合わせ、スコープ1と2のカーボンニュートラルを達成した
- 2022年10月、SBTi(Science Based Targetsイニシアチブ)の認定を取得するためGHGの排出削減目標の申請書を提出。この目標を達成するため、再生可能エネルギー100%の電力の購入、オフィスをリースする際のサステナビリティー基準の導入、従業員の教育研修、出張にともなう排出量を削減するためのルール策定、ベンダーの管理プロセスへのサステナビリティー基準の追加といった施策を実施した
今後の注力領域:カーボンフットプリント(温室効果ガス排出量を二酸化炭素に換算し合算した量)の排出量の削減
- エネルギー効率に優れた技術、再生可能エネルギーの調達、持続可能なサプライチェーン管理などの対策を実施し、パリ協定の目標に沿った事業運営を行う。2023年にはCDP(旧Carbon Disclosure Project)質問書に回答する予定
2.従業員とコミュニティーにおける平等性の実現
- 働き方のハイブリッドモデルを進化させ、柔軟性とつながり、多様性を尊重したカルチャー醸成のための投資を継続。経営レベルでのジェンダー平等(男女比1:1)を実現し、全社の女性従業員数は47%に達した。グローバル全従業員を対象としたオンラインおよび対面のイベントを通じ、カルチャーの醸成、多様性の推進、学びの場を継続的に提供した
- 従業員からのフィードバックに基づき、従業員がボランティア活動を行うためのプラットフォームと福利厚生を展開。同プラットフォームを通じて従業員がボランティアに費やした時間は約2,000時間となった
今後の注力領域:多様性とインクルージョン、つながりを重視するカルチャーの醸成を継続することで、全従業員に公平なキャリアアップの機会を提供する
- Black Advisory Board(黒人諮問委員会)、女性幹部を対象としたLeadHERプログラム、既存の従業員リソースグループなどのプログラムを継続し、ジェンダー平等実現に向けた採用と維持に取り組む
- 給与の透明化および賃金格差解消の取り組みを拡大する
- ハイブリッド環境で有意義なつながりを築くため、Connect4戦略を実施しながら、進展を図る
3.グッドガバナンスの実践
- 規制の変化に対応するための製品機能や、アカウント保護を強化する2要素認証の義務化など、顧客がデータを保護するための新規ツールを複数リリースした
- HubSpotのセキュリティー、プライバシー、コンプライアンス、ガバナンス対策の詳細を1ヵ所で確認できるCustomer Trust Centerを開設した
今後の注力領域:より強固な信頼と誠実な行動を取り続けるための仕組みづくり
- データの透明化と管理のためのツールを導入し、顧客が容易にデータへアクセスしてセルフサービスで管理することを実現する
- 企業運営におけるリスクを最小限に抑え、サステナビリティーの概念を組み込むため、バリューチェーンに対するアプローチを体系化し、調達から支払いまでをサポートする効率的でグローバルなプロセスの構築を継続する