パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は、22~59歳のビジネスパーソン5,083人を対象に「転職したい会社」を調査し、その結果を「doda転職人気企業ランキング2023」として発表した。
調査概要
- 対象者:22歳~59歳の男女
- 雇用形態:正社員
- 調査手法:ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
- 調査期間:2023年2月17日~2月24日
- 調査方法:投票者が転職を希望する企業を自由形式で1位から3位まで記入。持ち点10ポイントの中から、それぞれの企業への志望度合いに応じて自由にポイントを振り分ける。
※ランキングは、振り分けられたポイントの合算値(小数点以下第二位まで)が多い順に作成。
※ウェイトバック:正社員の地域・年代・性別に合わせて実施- 回答人数:5,083人
4年連続1位の「トヨタ自動車」 前回からさらにポイントアップ
2023年の転職人気企業ランキングTOP3は、2020年から4年連続で、1位「トヨタ自動車」、2位「グーグル」、3位「ソニー」という結果となった。
1位の「トヨタ自動車」は、総合ランキングだけではなく「業種別 メーカー(機械・電気)」「職種別 営業系」など17の調査区分で前年同様1位をキープし、さらに「職種別 事務・アシスタント系」と「年代別 30代」の区分でも「グーグル」を抜き、1位となった。
投票ポイントを見ても、前回は1位「トヨタ自動車」と2位「グーグル」の差は600ポイントほどであったが、今回は「トヨタ自動車」が5,453ポイント、「グーグル」が3,862ポイントと、「トヨタ自動車」が1,591ポイントの差を広げる結果となった。「トヨタ自動車」への投票コメントでは「社風がよさそう」「社員の満足度が高いイメージ」といった声が多く見られた。
インフレが進む中、「ファーストリテイリング」など賃上げを行った企業の人気が高まる
「ファーストリテイリング」は、前年の48位から11位へと順位アップ。アンケートでは、「初任給が高くなったと最近話題だから」「物価上昇のなか、給与の引き上げが話題になったから」「賃上げで給料が良さそうだし、はたらきやすそう」など、給与水準に関する投票コメントが多く寄せられた。
また、34位から24位へと順位を伸ばした「オリエンタルランド」も、4月からパートやアルバイトを含む社員の給料を平均で約7%引き上げ、話題になった。さらに「任天堂」(9位)も、2023年4月から全社員の基本給と初任給を一律10%引き上げたことがニュースとなった。
このように、2023年の転職人気企業ランキングでは、インフレが進む中で賃上げに取り組んでいる企業の人気の高まりがうかがえる結果となった。
「任天堂」など、経営理念や経営方針に共感を集めた企業が15位以内にランクイン
9位の「任天堂」は、前回調査の13位から順位を4つ上げ、TOP10入りした。2019年には30位だった同社は、コロナ禍の2020年に15位にランクインし、その後も15位以内を4年連続でキープし続けている(2020年:15位、2021年:7位、2022年:13位、2023年:9位)。
同社には「ゲームが好きだから」というコメントが多く寄せられた。ほかにも、「福利厚生がよい」「日本のゲーム産業のトップ企業で、顧客を大事にする姿勢に好感が持てる」「企業価値が高いだけでなく、安定性もあって離職率が低そうだから」という投票コメントが寄せられ、企業イメージや企業方針も高評価を得ていることがわかる。
また、「パナソニック」(5位)、「本田技研工業(Honda)」(15位)など、歴史的に名経営者と呼ばれる社長が率いてきた企業の人気も安定しており、経営理念や経営方針への共感や将来性についてのコメントが多く集まった。
大規模プロジェクトへの関心から、複数の建設会社が順位アップ 鉄道業界や旅行業界では、圏外からTOP300にランクインした企業も
30位以降を見ると、「鹿島建設」(139位→65位)、「大林組」(156位→67位)、「清水建設」(177位→76位)、「日建設計」(圏外→286位)と、複数の建設会社が前回より順位を上げている。投票コメントでは、「インフラ整備に興味がある」「大規模な工事を扱うから」「未来に残る仕事だから」など、仕事のスケールの大きさに魅力を感じる声が多く見られた。
さらに、今回の調査では前回圏外だった71社が新たにTOP300にランクイン。圏外からランクインした企業として、鉄道業界からは「小田急電鉄」(173位)、「京阪電気鉄道」(210位)、「近畿日本鉄道」(258位)、「北海道旅客鉄道(JR北海道)」(267位)、「東急電鉄」(286位)の5社、旅行業界では「日本旅行」(275位)が挙げられる。