グローバルでビジネスを展開する組織コンサルティングファームのコーン・フェリーは、日本企業における報酬政策や在宅勤務の取り組み実態調査を実施した。
本調査は、2022年10月にオンラインアンケート形式で世界各国の人事・報酬担当者を対象に実施し、世界112ヵ国から6,951件の回答を得たうち、日本からの回答約140件を集計したもの。
調査レポートのサマリ
1. インフレが報酬政策に与える影響
2022年の昇給にインフレが与えた影響についてたずねたところ(n=136)、インフレを加味した昇給を実施した会社は11%、検討中と回答した会社は18%、インフレを加味した昇給を検討しなかった会社は65%という結果となった。
追加昇給をする場合の対象者についてたずねたところ(n=92)、「全従業員」と回答した会社は約7割と、多くの会社が差別化をしていない結果となった。
2. 経済情勢の影響
経済情勢に対応して報酬予算を削減しているかたずねたところ(n=83)、削減予定なしとする回答が80%、削減済み、もしくは削減予定とする回答が20%となった。
また、経済情勢に対応した雇用削減の有無については86%が「無し」と回答した。
3. 労働市場の課題
現在いる社員のつなぎ止めのための追加措置の有無についてたずねたところ(n=105)、28%が「有り」と回答した。
「有り」と答えた人に、追加措置の具体的内容をたずねたところ(n=29)、「ハイパフォーマー/ポテンシャル人材育成プログラムの実施」が48%、「リテンションを目的とした報酬の支払い」が48%、「一時金/報酬の支給」が31%という回答となった。
4. オフィス・職場への出社方針
オフィス・職場への出社方針についてたずねたところ(n=113)、「全ての従業員が出社を求められている」が47%と、もっとも多い回答となった。「一部職務の従業員のみ出社を求められている」の8%を合わせると、半数以上の会社が従業員にオフィス・職場に出社するよう求めていることがわかった。
出社方針に対する従業員の反応については、「様々な反応だが全体的に受け入れられている」が76%と、もっとも多い回答となった。
5. 2023年昇給方針
2023年の予定昇給率についてたずねたところ(n=113)、回答企業の昇給率予算の平均は2.5%となった。