SansanとSchooは、2022年12月5日、業務提携契約の締結についてのオンライン記者会見を実施した。本業務提携により、Sansanが提供するキャリアプロフィール「Eight」上で、Schoo提供の学習コンテンツが無料で閲覧可能に。ビジネスパーソンの「リスキリング」(学び直し)を後押しし、キャリア形成をサポートしていくとの方針を明らかにした。
オンライン記者会見では、Sansanからは小川泰正氏(執行役員/Eight事業部 Eightキャリア&ソリューション部 部長)、Schooからは滝川麻衣子氏(執行役員 CCO)が登壇し、業務提携の内容、昨今の雇用トレンド、リスキリングが注目を集めている背景について解説した。
Sansanの小川氏は、今年10周年を迎え、4月に名刺アプリからキャリアプロフィールへと刷新したプロダクト「Eight」について紹介。また、終身雇用の考えが薄らぎ、ジョブ型雇用、副業や兼業が推進される昨今、自ら能動的にキャリア形成を行う「キャリア自律」が注目を集めていると、時代の流れについて言及した。そのうえで、「自ら学び、知識やスキルをアップデートしながら自分自身のキャリアプランを築いていくことが今のビジネスパーソンに必要となってきている」と述べた。
また、小川氏は今回の業務提携の具体的内容について発表。Eight内の「キャリアタブ」機能において動画の学習コンテンツを毎日1本ずつ、動画の内容をかんたんに紹介したレポート記事と合わせて公開していく。2022年12月5日からは、営業職向けコンテンツの提供を開始。12月12日からは、経営企画・マーケティング職向けにも日々の業務に役立つスキルを身に着けられる学習コンテンツを提供していく予定。
学習コンテンツのラインナップを大幅に拡充して学びをサポートすることで、忙しいビジネスパーソンが通勤時間やすきま時間を有効活用しながらリスキリングをし、自らのキャリア形成に役立てることを期待していると述べた。
Schooの滝川氏は、2022年がリスキリング元年となった背景や、労働移動とキャリアオーナーシップ、オンライン学習利用者の動向、予想されるスキルの可視化トレンドを踏まえ、本提携のねらいについて説明した。
2022年がリスキリング元年となった背景として、人的資本経営、日本におけるデジタル人材不足、終身雇用崩壊による雇用流動化の流れについて言及。このような背景から、成長産業であるデジタル分野への労働移動が必須となり、政策的な流れの中にリスキリングが大きく位置付けられたと解説した。
また、労働移動とキャリアオーナーシップについての解説では、「雇用が流動化することにより、人生の形成において個人がオーナーシップを持つ社会へと変わり、個人がリスキリングを繰り返しながら成長産業の中の自分のポジションに向けて動いていく流れになっていく」と述べた。
オンライン学習利用者の動向は、コロナ禍において、これまではオフラインをオンラインに置き換えるというニーズが主体であったが、最近は自分で自己学習をするという流れが強まり、利用業種も、メーカー、商社、官公庁、学校など、さまざまな業種に広がっていると紹介した。
今後のスキル可視化トレンドについては、「雇用流動化の流れにおいては仕事と人材を適切にマッチングすることがニーズとして生まれるため、具体的にスキルを可視化し何ができるかをデータ化することが求められていく」と述べた。
最後に、滝川氏は本提携のねらいに言及。「キャリア」と「スキルの学び」を掛け合わせるという社会のニーズに対して、SansanのEightがキャリア形成サポートを行い、SchooがEightにオンライン学習コンテンツを提供していくことで、雇用流動化に向かう社会の中、自身を持って自らのキャリアを築ける人が増えることを目指していく。