日立ソリューションズは、住宅設備機器の専門商社である小泉にマイクロソフトのクラウドベースCRM「Microsoft Dynamics 365」を導入し、既存の3つの業務支援システムに分散されていた営業にかかわる顧客情報の統合を行った。2020年5月21日に本番稼働し、9月には営業部門の責任者向けに部門ごとの業績や顧客ごとの売上・活動状況を可視化する機能の追加を予定しており、迅速な意思決定に寄与する。
小泉は、新システムによって営業活動ノウハウを蓄積・共有することが可能になるとともに、営業活動の進捗状況の可視化により、データに基づいた営業戦略の立案・実行を実現。また、営業部門の責任者にとっては、部門ごとの業績や顧客ごとの売上・活動状況をリアルタイムに把握できるため、迅速な意思決定が可能になる。加えて、営業担当者は外出先から営業日報を入力することが可能になった。
導入の背景
東北から東海地方に100以上の営業所を有する小泉では、地域密着型の営業活動で設備工事店、工務店、建設会社などに対して住環境に携わるさまざまな取引先に住宅関連商材の卸売を行ってきた。
従来は営業活動を支援する3つのシステムとして、顧客や売上データを管理する「販売管理システム」、営業日報を記録する「業務ポータル」、新規顧客開拓を支援する「営業支援地図情報システム」を運用したが、それぞれのデータは連携されていなかった。そのため、過去の営業活動の履歴やノウハウが社内で共有されず、十分に活用できていないことが課題となっていた。
また、営業担当者は営業所内のパソコン、または手書きで営業日報を作成していたため、訪問先から営業所に戻って作業をしなければならず、チーム内での迅速な情報共有や業務効率にも課題が生じていた。
これらを解決するべく、同社は既存の3つの営業支援にかかわるシステム内のデータを統合し、営業活動の可視化と迅速な意思決定を可能にするとともに、効果的な顧客へのアプローチや満足度向上につなげられるシステムの構築を目指した。
小泉の基幹システムをはじめとする既存システム構築における実績や、アメリカのマイクロソフト本社や日本マイクロソフトとの強力なパートナーシップの元、「Microsoft Dynamics 365」を活用したグローバルなシステム構築の豊富な実績が評価され、日立ソリューションズへの発注に至ったという。