セールスフォース・ドットコムが、全国共済農業協同組合連合会(以下、JA共済)がDX推進を目的に、金融機関向け資産管理ソリューション「Financial Service Cloud(以下、FSC)」を導入したことを発表した。なお、今回のFSC導入は国内最大規模と発表されている。
人口減少や少子高齢化の進展、低金利の継続に加えて、コロナ禍対応など、金融機関を取り巻く経営環境は厳しさを増している。こうした中で、同社は地域社会への貢献を継続できるよう業務の効率化を図る必要があること、そして非対面・非接触でのコミュニケーションニーズを踏まえたうえで利用者の利便性とJA職員の活動を最大化できるよう、複数の社内チャネルから得られる利用者情報を横断的に参照・共有できる機能の構築が推進されていた。
こうした取り組みを加速させるにあたり選定されたのがセールスフォースドットコムのFSCで、選定理由には「国内大手金融保険機関で利用されており、すでにJA共済でも、他システムでのSalesforce導入実績がある」「世帯管理機能など金融業務向けに機能拡張したツールであることに加え、保険業界に特化した機能がアップデートにより拡張されており、導入までの費用と開発期間の削減ができる」点が挙げられている。
今回のFSC導入により、対面・非対面にかかわらず利用者とのコミュニケーション円滑化によるサービスレベルの向上、そして利用者情報の一元化・情報の属人化防止によるガバナンス強化・事務負荷の低減を目指す。
JA共済連代表理事専務 歸山好尚氏のコメント
コロナ禍でビジネスのあり方は大きく様変わりしました。モバイルデバイスなどデジタル技術の進歩により利用者とのコミュニケーションはこれまでと大きく変わってきています。このように変化が激しく不確実な事業環境に対応するためFSCを導入しました。今後は、FSCにより、JA共済の強みとデジタルをかけ合わせ、組合員にもっと寄り添うコミュニケーションの実現と、組合員・利用者の利便性の大幅な向上が両立できることになります。FSCは年3回のバージョンアップリリースがあり、将来的に金融保険業界の最新ソリューションを短期間に低コストで取り入れることにも期待しています。