セールスフォース・ドットコムは、新生銀行でSalesforce Marketing Cloudが本格稼働したと発表。すでに稼働していたSalesforce Service Cloudと連携することで、新生銀行は、同行のリテールバンキングの営業、コールセンター、マーケティングの各部門がそれぞれで管理していた顧客情報を一元管理する仕組みを作り、顧客を中心に据えたサービスを提供していくための基盤として活用している。
新生銀行は、現在全国に約30の店舗を展開すると同時に、100万人を超えるオンラインバンキングのユーザーを有し、個人・法人顧客向けに多様な金融商品やサービスを提供。昨今の経済やビジネス環境の変革期にある金融市場の環境に鑑みて、同行では従来のビジネスモデルにとらわれることなく、最新テクノロジーを活用することで、新しい顧客価値を創造する独自性のある金融商品やサービス開発に取り組んでいる。
なかでも、ビジネス上の優位性の獲得が求められているリテールバンキング領域において、顧客との新たなカタチでの関係構築を実現するために、顧客に寄り添うビジネスモデルへと変革することが急務だった。 そのため同行では、店舗やオンラインバンキングといったチャネルごとに分断されていた顧客情報を、顧客との接点となる営業、コールセンター、マーケティング部門などが全社的に一元管理することで、従来のチャネル、サービス主体のアプローチから、顧客を中心に据えたアプローチへ切り替えることをビジョンとして掲げた。そこで、顧客を360°ビューで、全方位から理解するための包括的なCRMプラットフォームを提供するSalesforceを評価し、採用。
新生銀行では、2016年からリテールバンキングの営業部門を皮切りに、コールセンターとマーケティング部門において、順次Service Cloudの導入を開始。氏名や年齢といった定性的データだけではなく、取引ステータスや同行のウェブサイト上での行動履歴を含む動的な顧客情報をリアルタイムで共有することで、最適なコンサルティングサービスを提供することが可能になった。 特にコールセンターでは、これまでのやり取りの履歴を含む顧客情報を一画面で閲覧したり、同製品のライブチャット機能を活用したことで、顧客からの問い合わせに対してリアルタイムでの解決を実現し、顧客満足度の向上に加えて、オペレーターの業務効率化にもつなげている。
さらに全社向けの分析ツールとしてEinstein Analyticsも導入し、まずはService Cloudと連携することで、コールセンターでの応対パフォーマンスの品質や業務効率の向上に向けた取り組みを開始している。
そしてこのたび、マーケティング部門でMarketing Cloudの本格稼働を開始。Service Cloudで営業、コールセンター、そしてマーケティング部門が共有する顧客情報をもとに、顧客をセグメント化し、行動や嗜好を捉えながらそれぞれの顧客に最適なタイミングで、最適な金融商品・サービスについての案内メールを配信する基盤として活用していく。これにより、顧客1人ひとりとのエンゲージメントをさらに高めていくことを目指す。
セールスフォース ・ドットコムは、新生銀行が、リアル、デジタル、組織の垣根を越えた顧客中心のビジネスモデルを継続的に変革し、他行にない独自性のある付加価値サービスを提供していくことを支援していくとのこと。