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Sales Techの歴史から読み解く、セールス・イネーブルメントの発展

実態が捉えづらいセールス・イネーブルメント 海外動向と必要機能から読み解こう


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 前回は営業のテクノロジー化の歴史とともに、Sales Techの発展とセールス・イネーブルメントがどのように登場してきたかについて述べました。さて、今回はいよいよ実態の捉えずらい「セールス・イネーブルメント」について海外動向を踏まえ深掘りしていきたいと思います。

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海外にみるセールス・イネーブルメントの定義

 日本国内においてセールス・イネーブルメントは2018年~2019年にかけ(SalesZineのオープンもあり!)急激にその知名度をあげ、取り組み事例も徐々に表に出てくるようになりました。現在公開されている事例や関連情報を見るかぎりでは、国内におけるセールス・イネーブルメントとは「営業部門の教育的要素を中心とした取り組み」として紹介されていることが多く感じますが、本場の海外(主に米国)においてはどう定義されているのでしょうか。

 筆者が調査した限りではセールス・イネーブルメントに関するもっとも古い記述は、2008年にForrester社が開催したエグゼクティブ向けのラウンドテーブルにおいて、その定義についての議論が行われたというものでした。当時は現在語られているような「組織的の取り組み」ではなく「組織内の役割そのもの」として捉えられていたようです。

 その後、さまざまな議論がなされていくなかで、Gartner社、SiriusDecisions社、Forrester社といった各リサーチ企業がセールス・イネーブルメントについて定義を公開していきますが、基本的には各社ごとに独自の表現でセールス・イネーブルメントを定義しており、共通の定義化には至っていないのが現状です。

 しかしその表現は類似したものが多く、各社の定義を総合的に捉えると海外におけるセールス・イネーブルメントは概ね以下のような表現となります。

セールスチームが、顧客に魅力的な販売を行える状態を構築・維持するために必要となるプロセス・コンテンツ・トレーニングを、(セールスチームに対して)提供する継続的かつ戦略的な取り組み

 もう少し具体的に言うと、従来個人の能力に依存していたセールスという不確定要素の多い活動を、適切に顧客に商材を提案できるようセールス・コンテンツを拡充し、適切な営業プロセスで活動できるように組織的なトレーニングを展開することで、営業活動を継続的により良い状態にしていくことであります。

 属人化された営業活動を、組織的に統一された活動に変えていくことで、予測しにくかった営業成果を予測可能なものへ変えていくことを狙いとしています。

 いずれにしてもセールス・イネーブルメントという活動の基本となるのは、営業担当者が顧客と効果的な商談を行うための適切なコンテンツと、それを活用し成果を出すためのプロセスの理解と知識の向上をトレーニングを通して保証することであるとされています。

 つまり海外におけるセールス・イネーブルメントの定義では、「コンテンツ」という側面と、それを活用して販売を行っていくための「トレーニング」という側面の2面性がある取り組みということが見えてきます。

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セールス・コンテンツの課題とDigital Content Management for Sales

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Sales Techの歴史から読み解く、セールス・イネーブルメントの発展連載記事一覧
この記事の著者

アステリア株式会社 黒柳開太郎(クロヤナギカイタロウ)

アステリア株式会社ネットサービス本部副本部長。商社系SIerでERPの営業を経て、アステリアに入社。その後パートナーセールス及びアライアンスを担当し、様々なパートナービジネスの立ち上げに関わる。その後Handbookビジネスの営業責任者を経て、現在、複数製品の事業責任者を務めている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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