「自己評価」と「他者評価」のギャップを埋めることが成長への近道
このスキルマップは、四半期ごとに「1.セルフレビュー」「2. リーダーレビュー」「3. マネージャーレビュー」の3段階で振り返りを行います。3つめのマネージャーレビューにおいては、斜め上の上司に当たる別のCSマネージャーのレビューも行うことで、マネージャー間での評価基準の平準化を図るとともに、状況把握も同時に行っています。
「自己評価」と「他者評価」のギャップがあるケースも少なくありません。たとえば、メンバー自身が「提案力は十分ある」と思っていても、リーダーからは「それは単なる機能説明に留まっている。顧客の課題ヒアリングや意思決定を促し、業務フローを実際に変えるまでには至っていないから、現在求められている基準値に達していない」と厳しく評価されることもあります。逆に、自己評価が低いメンバーに対し、リーダーが「求められている水準を満たしている」とフィードバックを行うこともあります。
加えて、リーダーの基準では「達成」と判断した内容があってもマネージャー基準では「未達成」となり、リーダー自身の判断基準について、マネージャーからフィードバックすることもあります。
こうした“ギャップ”の実感こそが、若手メンバーからリーダーまでの視座を一気に引き上げます。「ここまでやって初めて基準に達するのか」という気づきと、スキルマップによる明確な指標があることが、プロフェッショナルとしての高い基準値を形成します。
基準に達していない項目については、次期のOKR(目標設定)に組み込んで改善するようコミュニケーションをとります。たとえば、「仮説構築・分析力に課題があるから、A社の例をもとに仮説を立てて、顕在課題だけではなく潜在課題をヒアリングしてみよう」 「提案力が足りないなら、トッププレイヤーの商談を3件完コピして、自分の言葉で型化してみよう」など、スキルマップとOKRを連動させることで属人的ではない育成の仕組みが整い、メンバー及びリーダーの成長を促進します。
スキルマップのアップデートがCSの未来をつくる
スキルマップは一度作って終わりではありません。会社の成長や社会の変化に伴い、求められるスキルも変容します。
たとえば、不動産業界の法改正が行われた際には、その法の内容と法改正による現場への影響を顧客以上に把握し、スキルマップを変更することが急務となります。
また、生成AIの台頭による社会の変化も無視できません。これまで数十分かけていた議事録作成やデータ集計をAIで効率化し、生み出した時間を「顧客戦略の立案」に充てる。さらにはその戦略をリーダーにレビューしてもらう前に、メンバーが自らAIでブラッシュアップするなど、より自己完結能力を高めることが求められるようになります。

そういった変化に対して柔軟に対応するため、当社では四半期ごとにスキルマップ自体を見直しています。 「今のイタンジにとって、このスキルも必要ではないか?」「この項目はもっと高いレベルを求めるべきではないか?」 とマネジメント陣を中心にこの問いを繰り返し、アップデートを続ける。これによって、スキルマップは常に「未来のCS組織を示す指標」であり続けることができるのです。
