CRM「esm(eセールスマネージャー)」を提供するソフトブレーンは、企業の営業課題や解決に向けた取り組みに関するアンケート調査「esm sales report 2025」を実施し、レポートを公開した。
【営業部門が抱えている課題】営業部門の課題トップは「新規顧客の獲得が難しい」

営業部門が抱えている課題は、「新規顧客の獲得が難しい」が35.8%ともっとも高く、「営業人材の採用・育成が進まない」が32.0%、「営業活動の生産性が低い」が29.0%と続いた。
営業部門の課題は大きくふたつに分類できる。第一に「顧客獲得・競争力」で、新規顧客獲得(35.8%)、利益率確保(21.6%)、競合との差別化(21.6%)が高い数字となった。第二に「人材・組織」の課題で、人材採用・育成(32.0%)、属人的営業(24.6%)が上位だった。
【AIツールの有用性】AIツールは「役立つ」が84.2%、大多数が期待

AIツールは、営業部の課題解決に役立つのかについては、「とても役に立つと思う」が35.2%、「少し役に立つと思う」が49.0%で、合わせて84.2%が肯定的に評価した。「あまり役に立たないと思う」は9.4%、「まったく役に立たないと思う」は1.0%だった。
一方、否定的な見方は合計10.4%で、「わからない」が5.4%存在した。AIツールの具体的な活用イメージを持てていない人々が一定数いるという状況を反映している。
【AIツールが役立つと考える課題】AIツールが役に立つ分野は「営業活動の生産性向上」

AIツールが役立つと考える課題は、「営業活動の生産性が低い」が33.3%ともっとも高く、「提案力や提案の質に課題がある」が30.6%、「新規顧客の獲得が難しい」が22.1%と続いた。注目は、属人的営業の標準化(20.4%)、人材育成(19.7%)、ITツール活用促進(19.5%)など、組織課題の解決にもAIツールが期待されている点。トップ営業のノウハウをAIツールが分析・共有することで、営業部全体のレベルアップを図りたいという意図が読みとれる。
一方、前途の「あなたの所属する企業の営業部が現在、抱えている課題をすべてお答えください。」で最多回答数だった「新規顧客獲得」(35.8%)に対するAIツールへの期待度は、22.1%とほかと比較すると若干低く、顧客開拓における人間の重要性が認識されていることがわかった。
【ITツールとAIツールの連携状況】ITツールとAIの連携、約7割が連携に課題を抱える

SFAやCRMなどのITツールとAIツールの連携状況については、「部分的に連携しており、一定の効果を実感している」が25.0%ともっとも高く、「そもそも連携の設定や方針が定まっていない」が19.4%、「連携はしているが、想定した効果が得られていない」が16.8%、「連携できておらず、AIツールとCRM/SFAが別々に運用されている」が14.6%と続いた。
注目は、効果的な連携を実現できている企業は3割程度(完全連携9.0%+部分的連携25.0%)で、約7割は連携に課題を抱えているという点。「連携の設定や方針が定まっていない」は19.4%と2番目に多く、さらに、連携しても「想定した効果が得られていない」(16.8%)、「データの二重管理が発生」(9.6%)、「現場で活用されていない」(5.6%)など、連携の質に問題を抱える企業は合計32.0%だった。また14.6%はAIツールとCRM/SFAを別々運用しており、ツールが分断されている実態も明らかになった。
【調査概要】
調査概要:企業の営業課題や解決に向けた取り組みに関するアンケート調査
調査方法:インターネット調査
調査期間:2025年9月
調査対象:全国の営業部門従事者 20~70代
サンプル数:500名
