ワンマーケティングは、企業の購買・仕入に関わるバイヤー600名を対象に実施した「BtoB購買プロセス白書2025」の調査結果を発表した。
85%が営業面談前に候補を絞り込み。購買プロセスの“非対面化”が進行
「製品・サービスの仕入れ先・契約先の候補」について質問したところ、営業担当者との初回面談時に「ほぼ決まっている」(29%)、「いくつかの候補に絞り込まれている」(56%)という回答となった。 合計85%が面談前に購買先を決定的に絞り込む傾向があることがわかった。
「AI検索・生成AI」の利用が拡大。購買情報源が多様化
普段利用する情報源の上位は「購買先企業のWebサイト」(38.5%)と「検索エンジン」(32.2%)という回答となった。一方、最近利用が増えた情報源では「AI検索・生成AI」(12.2%)が「比較サイト」と並び上位になった。これにより、 AIが購買初期フェーズの主要情報源として浸透しつつあることがわかった。
高額取引ほど関与人数が増加し、意思決定が“グループ購買化”
仕入・購買・契約に関係する業務の平均関与人数は、低価格帯(300万円未満)で5.6人、中価格帯で14.4人、高価格帯で18.3人という回答となった。
また、高価格帯取引の54%が検討から契約まで「半年以上」を要しており、購入までの期間が長期化していることが明らかになった。
取引金額が上がるほど関与者が増え、部門横断・階層横断のグループ購買構造が顕著であることが確認された。
重要フェーズでは「営業による説明・提案」が最も信頼される情報源
「製品・サービスの仕入・購買・契約で最も重視する情報源」について質問したところ、購買プロセスの後半(提案評価・購買先選定・見積比較など)では、「営業による説明・提案」が最も重視される情報源という回答となった。
とくに高額取引では全フェーズで営業面談率が上昇し、営業担当者の“提案力と理解力”が意思決定を左右していることが明らかになった。購買の最終局面で「人の理解力」が決め手となり、AIやウェブで補えない信頼構築が購買決定の支点であることがわかった。
意思決定者は「コスト以外の満足度要素」を重視
「商品・サービス導入時重視点」を質問したところ、評価項目上位は「品質」(72%)、「信頼性」(68%)、「コスト」(67%)という回答だった。
一方で意思決定者層は、「導入企業の満足度」「支払い条件」「サポート品質」などを重視していることが明らかになった。
評価軸は、価格から導入後の安心感へと移行する傾向にあり、意思決定者はリスク軽減と確実性を優先する傾向にあることがわかった。
【調査概要】
調査名:顧客企業の商品購入プロセスに関する調査(2025年度)
調査目的:企業バイヤーの購買行動・情報収集実態の可視化
調査手法:インターネットリサーチ
調査期間:2025年9月30日〜10月1日
対象:全国の20〜65歳・経営者、役員、購買・契約担当者(正社員)
回収数:600サンプル
