Sansanは、三菱UFJ銀行における営業DXサービス「Sansan」の活用事例とその成果を発表した。

導入の背景
三菱UFJ銀行は、国内外の企業や個人に対してさまざまな金融サービスを提供している。同行では、デジタル技術を活用した営業力の強化や、組織全体での顧客基盤の最大活用を重要な戦略のひとつとして掲げており、中期経営計画においても「全社横断ソリューション・データ基盤の強化」や「AI・データ利活用の浸透・習慣化」(※)を重点施策としている。
従来の営業活動は、個々の担当者に依存したアナログ手法が主流となっており、顧客情報の一元管理や組織的な営業アプローチの強化が課題となっていた。この課題を解決し、営業DXを推進するため、2021年に営業部門でSansanを導入。営業部門での導入の結果、リモートワークにおいても営業活動の効率化やパフォーマンス向上に効果があることから、2022年より全社に拡大して利用している。
導入後の運用と成果
営業担当者の業務効率化により年間3万時間の工数削減
従来は顧客の連絡先を各営業担当者が個別に管理しており、属人的な運用となっていました。アナログな管理が主流であったため、必要な顧客情報の検索に時間がかかるだけでなく、モバイル端末からの情報閲覧ができず、外出時や在宅勤務時に対応が難しいという課題を抱えていた。
Sansanの導入により、名刺情報や接点情報を企業の情報資産として一元管理する仕組みを構築したことで、顧客の連絡先の検索時間を削減し、外出時や在宅勤務時にも情報へアクセスできる環境を実現した。その結果、年間3万時間の業務時間削減を実現した。
マーケティング強化で、有効商談につながるセミナー参加者が5倍増
三菱UFJ銀行では、これまでもデジタルマーケティング施策を実施してきたが、利用できる顧客データがかぎられていたことから、適切なターゲットにもっとも適したタイミングでアプローチできず、商談の機会を逃してしまう課題を抱えていた。Sansanの導入により、銀行側が持つ顧客データと名刺情報・接点情報を統合し、企業名や役職、所属部門といった詳細情報を把握でき、より関心度の高いターゲットを的確に絞り込めるようになった。また、Sansanでは人事異動情報をリアルタイムで反映できるため、最新の担当者へのスピーディなアプローチも可能となった。結果、オンラインセミナーのメール配信ではURLのクリック率が向上し、有効商談につながる参加者が従来比5倍に増加した。
Salesforce連携機能への期待する効果
同行では2025年4月よりSalesforceを導入し、Sansanとの連携を開始した。従来、顧客データはSansanを含めて複数のシステムに分散しており、同一顧客でも新旧情報が社内に混在する状態だった。情報更新や収集が負担となり、提案準備に時間がかかるなど、全社でデータを効率的に活用できていなかった。今後は、SalesforceとSansanの連携機能を活用し、行内外の情報を一元化することで営業担当者が顧客をより深く理解し顧客に寄り添った提案をすることが可能になる。部門を横断した担当者間でのスムーズな情報共有や、データメンテナンスの効率化、最新情報に基づく提案の強化を進め、営業力と顧客体験の向上を目指す。