セールスフォース・ジャパンは、Agentforceのマーケットプレイスおよびコミュニティである「AgentExchange」の日本での展開を開始した。これにより、日本国内のSalesforceパートナーも、デジタル労働力を提供する新たな市場に参入できるようになる。

AgentExchangeは、Salesforceが2025年3月に米サンフランシスコで開催した開発者向けイベントTDX2025にて発表された。1,300万以上のアプリケーションのインストール数を誇る、世界初のエンタープライズ向けクラウドマーケットプレイスであるSalesforce AppExchangeを基盤に、AgentExchangeはSalesforceのデジタル労働力を生み出すプラットフォームであるAgentforceの機能とエコシステムをさらに拡張する。
グローバルでの発表を受け、日本国内でも厳格なセキュリティレビューを通過した5社の初期パートナーとともにAgentExchangeを通じた顧客へのサービス提供を開始する。
AgentExchangeソリューション

現在、日本市場では15社のパートナーが対応を開始している。国内の初期パートナーとして、AgentExchangeに掲載されているパートナーおよびアプリケーションは次のとおり(社名、五十音順)。
- オプロ
ソアスク for Agentforce(β版):Agentforceと連携して、見積レコードの作成を自動化する。さまざまな議事録ツールと連携が可能で、顧客との会話の文脈を読み取り「ソアスク」に登録された商材・価格テーブルを元にレコードの自動生成を実現。ユーザーの入力の手間を削減する。
- KDDI
SMS送信サービス「KDDI Message Cast for Salesforce AI拡張オプション」:SalesforceからSMSが送れる「KDDI Message Cast for Salesforce」にAIを活用したメッセージ自動生成やフロー連携による自動送信機能を追加し、顧客コミュニケーションの効率化を図るソリューション。Salesforceに蓄積された顧客データと自律型AIエージェントであるAgentforceが連携し、顧客ごとに最適化されたSMSを自動配信する。これにより、オペレーターの業務負荷を削減しつつ、24時間365日のタイムリーなサポートを可能にする。
- テラスカイ
mitoco Agent:さまざまな標準機能を通じて社内情報を一元管理し、コミュニケーションを円滑にして業務の効率を高めるアプリケーションを提供する。Agentforceを通じてmitocoのグループウェア機能を呼び出し、情報を提供するための拡張パッケージになる。
mitoco Agent 会計:企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)をSalesforce上で一元管理することで、データを横断的に分析し、経営判断をサポートする。AgentforceがSalesforce上で動く会計システム「mitoco 会計」に関する機能や値を呼び出し、提供するための拡張パッケージになる。
- ネクプロ
ネクプロ for Agentforce:動画やウェビナーの活用に、Agentforceが新たな体験価値を提供する。AIエージェントが、顧客のコンシェルジュとしてニーズに合った動画をレコメンドし、視聴画面では内容に関する質疑応答に回答する。フォローメールでは、CRMデータに基づき顧客の課題や興味・関心と関連性の高いウェビナーや動画の案内メールを自動生成する。これにより、商談の次のステップへとスムーズに進めるとともに、顧客との関係強化を支援する。
- フレイ・スリー
1 ROLL for Agentforce:AI×動画の力で、企業のセールス&サポート業務を支援すAgentforce連携アプリ。Einsteinチャットから顧客課題に応じて動画の具体箇所を提示し、視聴ログをSalesforceに自動蓄積する。24時間365日の自動応対で人の関与が求められる問い合わせ数を削減し、もっとも適したタイミングでのフォローにより商談化率も向上させる。
上記の国内の初期パートナー5社に加え、海外市場ですでにAgentExchangeサービスをリリース済みの4社(CloudCrossing、Copado、Opentext、Vigience)が日本市場でも製品提供を開始。また、国内のISVパートナーであるco-meeting、ツバイソ、ナレッジワーク、ユーザベース、ユニリタ、レアラの6社がすでにAgentExchangeへ掲載するサービスの開発を進めている。
テラスカイ 取締役 専務執行役員 製品事業ユニット長 山田誠氏のコメント
テラスカイは、昨年10月にSalesforceのAgentforceのパートナーエコシステムにいち早く参画し、日本市場のお客様向けにAgentforce対応サービスの提供を開始しました。このたび、日本でもAgentExchangeが立ち上がり、自律型AIの市場がさらに拡大していくことを大変嬉しく思います。当社のお客様は、独自のAIエージェント開発による複雑性を伴うことなく、Agentforceとmitocoを活用することで、社内のスケジュール調整や会計業務を自動化できるようになります。
Salesforce 専務執行役員 アライアンス事業統括本部 統括本部長 浦野敦資氏のコメント
Salesforceは2006年に日本市場でAppExchangeを立ち上げ、クラウド経済圏における新たな価値の創出や、事業拡大の機会をお客様やパートナー様に提供してきました。現在までに、国内でAppExchangeに公開されているアプリ数は約380本にまで増えました。今回、AgentExchangeを国内で展開することで、さらに多くのお客様やパートナー様がAIエージェントによるデジタル労働力を活用し、新たな市場機会を手にしていただけるよう取り組んでまいります。