男性管理職の6割が「男らしさ」という固定概念による「ネガティブな影響あり」と回答／XTalent調査

　転職サービス「withwork」を運営するXTalentは、国際男性デーを記念して、男性109人に「男らしさ」という固定概念が男性にもたらす影響についての調査を実施した。

半数以上が、職場で「男らしさ」によるプレッシャーを感じたことがあると回答

　回答者の6割がこれまでの人生において、「男らしさ」による生きづらさやプレッシャーを感じたことがあると回答。感じた時期でもっとも多かったのは「就職後」だった。

　具体的な生きづらさとしては、1位が「仕事や昇進に対して野心的でなければならない」、2位が「大黒柱的な役割を求められる」、3位が「育児や私生活にもっと時間を割きたくても叶わない」という結果になった。

　職場における「男らしさ」によるプレッシャーを感じるかという質問に対しては、一般社員の2割、リーダー層の3割が「頻繁に感じたことがある」と回答。その職場の特徴として「長時間労働が常態化している（良しとされている）」がもっとも多くなり、「多様な価値観を受け入れない雰囲気がある」「男性の育休取得率が低い」が続いた。

マネージャー層の6割が「男らしさ」という固定概念により「ネガティブな影響を受けている」

「『男らしさ』という固定概念があなたに与える影響について、『ポジティブ』と『ネガティブ』どちらが大きいですか？」という主旨の質問に対して、一般社員～マネージャー層では、ポジティブよりもネガティブの割合の人が大きく、役職が上がるにつれて、その影響の度合いも上がった。一方で、役職が上がるとポジティブの割合も増える傾向にあり、経営層になると大きく逆転し、ポジティブの割合が多い結果となった。

「ポジティブな影響」が大きいと回答したマネージャー層・経営層の理由をみてみると、「内申点や人事評価が良くなったと思われる（40代、マネージャー層）」「ツラい状態で踏ん張ろうと思えた（30代、マネージャー層）」「長時間労働を自然とできた（30代、経営層）」「自己肯定感を常に持っていられる（40代、経営層）」といった回答が得られた。

「男らしさ」を求められる職場で昇進を果たした意思決定層の生存者バイアスが、中間管理職から一般社員に対する過度なプレッシャーにつながっている可能性が考えられる。

3割以上が、職場における「男らしさ」のプレッシャーが「仕事のパフォーマンスの低下」「メンタルの不調」につながったと回答

「職場における『男らしさ』によるプレッシャーが、下記につながったことはありますか？」という質問で、9つの選択肢から複数選択で回答を求めたところ、「仕事のパフォーマンス低下」につながったと回答した人は33％だった。

　また、プレッシャーから解放されたきっかけに関する質問には、休職や退職、転職、部署異動など、環境の変化をあげた人が多かった。

「男らしさ」による生きづらさを解消に「多様な生き方が尊重される文化の醸成」が求められている

「『男らしさ』による生きづらさを解消するためには、何が必要だと思いますか？」と言う質問に対して、8つの選択肢から複数選択で回答を求めたところ、もっとも多かったのは「多様な生き方が尊重される文化の醸成」、次いで「職場の意識改革・個を尊重する制度等の導入」「学校教育の改善」「ロールモデルの創出」という結果になった。