自社にとっての「ザ・モデル」を創る
2005年3月、Salesforce日本法人においてSMB市場向けの組織づくりとオペレーションの実践が開始された。米国本社における営業スタイルを学んだ福田康隆氏らは、その新たな挑戦に向けてマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスによる分業体制や中間指標管理といった「日本でまだ展開されていないインバウンドリードを軸としたSMB市場向けのフロー」(p.29)の図を作成し、日本法人のメンバーに受け入れてもらうためのわかりやすい名称として「ザ・モデル」と名付けた。
当時の米国本社で、この図がこの名前で呼ばれていたわけではない。あくまでも数あるマーケティングと営業プロセスのパターンの1つに過ぎないものだった(P.29)
福田氏自身の経験を交えながら「自社にとっての『ザ・モデル』を創るためのヒントを解説」(p.288)するのが『THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』(福田康隆 著、翔泳社)だ。
本書は福田氏の“新しい営業プロセス”との出会いや実践を記す1部に始まり、分業から共業へのシフトを示す第2部、売上をつくり出すプロセスを解説する第3部、重要な3つの基本戦略を示す第4部、そして人材や組織づくり、マネジメントを示す第5部で構成される。
「ザ・モデル」の誤解を解消し、共業による売上創出へ
第2部において福田氏は、「ザ・モデル」を参考として組織改革に取り組む企業に対して警鐘を鳴らす。
ただしこのモデルを「マーケティングが獲得した新規リードをインサイドセールスが素早くフォローして、商談として進められるものを選別し、営業に引き渡す」という分業によるオペレーションとだけ理解していると、実行段階で行き詰まるはずだ。残念だが、そのやり方ではもはや通用しない時代になった(p.40)
顧客の購買検討やビジネス成長のプロセスが変化した現代では「分業による副作用」が生じる。そのため、マーケティングからインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスに至る流れを一方向ではなく循環させ、「共業」へシフトしなければならない。福田氏は、売上を生み出す実践的な「レベニューモデル」と、“人”にも目を配りながらそのプロセスを動かす責任を持つCRO(Chief Revenue Officer)の重要性を提唱。その活動の前提となる3つの基本戦略について、マルケト日本法人の立ち上げを例に解説する。
3つの基本戦略
- 市場戦略(Go-to-Marlet Plan)
- リソースマネジメント
- パフォーマンスマネジメント
本書は2019年に発行されて以降10万部を超え、BtoBビジネスにおける「プレイブック」として今もなお多くのビジネスパーソンに読み継がれている。新たに読む人はもちろん、すでに読んだことがある人も改めて本書を手に取り、「ザ・モデル」の本質についていまいちど理解を深めてほしい。
[開催迫る]福田康隆氏とともに、THE MODEL構築やアップデートを実現!
11月28日・29日、書籍『THE MODEL(MarkeZine BOOKS) マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス』を基にした宿泊型講座「THE MODEL CAMP」を開催します!
著者の福田康隆氏とともに、自社のTHE MODELを創り、磨く特別な2日間を過ごしませんか? クローズドな場所でのディスカッションで得られる深い学びや同じ課題感をもつ仲間たちとのネットワークは、これからの財産になることは間違いありません。詳細は特設ページよりご確認ください。皆様のご参加を心よりお待ちしています!