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Salesforce、「Agentforce」を発表

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 米国Salesforce(以下、Salesforce)は、サービス、セールス、マーケティング、コマース領域のタスクを処理する自律型AIエージェントのスイート「Agentforce」を発表した。Agentforceにより、企業は必要な時に労働力を拡張することができる。AgentforceのAIエージェントによる制限のないデジタルワークフォースは、データの分析、意思決定、顧客サービスに関する問い合わせへの回答や見込み顧客の選別、マーケティングキャンペーンなどのタスクに対して行動を起こすことができる。Agentforceを活用することで、組織や業界に関わらず、さまざまなユースケースに対応する独自のAIエージェントを構築、カスタマイズ、導入することができる。

 Agentforceは自律的に動作し、必要に応じて適切なデータを取得し、さまざまなタスクのアクションの計画を構築し、人間の介入を必要とせずに実行することで、より洗練されたサービスを提供する。Agentforceは、リアルタイムのデータを使用して、変化する状況に適応し、組織のカスタマイズされた範囲内で動作することで、顧客との対話を情報に基づいた適切な価値のあるものにする。また、Agentforceは必要に応じて会話の要約や顧客の概要、次に何をすべきかの推奨事項を人間である従業員にシームレスに引き渡す。

 OpenTable、Saks、Wiley などの企業は、Agentforceの能力をすでに体験している。たとえば、Wileyのような組織が顧客にダイナミックな会話型のセルフサービスを提供することを、Agentforceは支援している。Agentforceは、すでにSalesforceに組み込まれているWileyのナレッジベースを使用して質問に回答するように構成されているため、アカウントへのアクセスを自動的に解決することができる。また、登録や支払いの問題を選別し、顧客をリソースに誘導する。

 Agentforceが日常的な問い合わせに対応することで、Wileyでは以前のチャットボットよりも性能が強化され、問い合わせの解決率が40%以上向上し、人間のオペレーターはより複雑な問い合わせに集中できる時間が増えた。

重要な理由:Salesforce Trends in AI Report(※)によると、従業員の労働時間の41%は反復的で影響の少ない仕事に費やされていると推定されている。また、デスクワーカーの65%は生成AIによってより戦略的な仕事ができるようになると考えている。Agentforceはオンデマンドでキャパシティを拡張できる特性により、業務に追われるチームを支援し、人間が付加価値の高い業務に集中できるようにする。

Salesforce Trends in AI Report

機能と仕組みの注目ポイント

 このテクノロジーを提供するために、Agentforceは、次の機能を提供する。

1.Salesforce Platformのイノベーション

データ:Data Cloudを中心としたSalesforce Platform により、AgentforceとすべてのSalesforce アプリは、さまざまな顧客接点でAIを活用したシームレスな体験を提供する。Data Cloudにより、システム全体にわたるすべての顧客データとメタデータがリアルタイムで統合・調和される。Data Cloudが「ゼロコピー」機能を提供することで、多くの組織がすでにデータレイクに行った投資をさらに有効活用することができ、Salesforceの顧客は、構造化データと非構造化データをコピーすることなく外部システムから接続できる。これにより、企業データはAgentforceによって検索され、分析およびアクションが可能となる。

AI:Atlas推論エンジンは、Agentforceの頭脳として、人間の思考と計画をシミュレートするために設計された独自のシステム上に構築されている。まず、ユーザーのクエリを評価し、明確さと関連性を絞り込む。次に、もっとも関連性の高いデータを取得し、実行のための計画を構築する。その後、このプロセスは計画をさらに改良し、関連性があり、データに基づいたものにする。この推論プロセスにより、Agentforceは自律的に推論を実行し、意思決定を行い、ビジネスタスクを完了し、事実に基づいた結果を提供する。

自動化:Agentforceは、MuleSoftとの深い統合を含むSalesforceの既存の自動化機能とシームレスに統合される。Salesforceフロー、MuleSoft、およびApexメソッドにより、 顧客は構築済みのワークフローとアクションを利用することで、Agentforceの機能を拡張できる。また、これらを組み立て可能な部品として再利用し、Agentforce向けに新しい自動処理を作成することもできる。複雑なプロセスの自動化や、企業全体の特定のアクションのトリガーも、Agentforceはこれらの自動化を実行できる。つまり、企業は自動化に対する既存の投資を活用しながら、新しい機能を拡張し、Agentforceが信頼できるフレームワークの中で自律的に、自動化や統合をゼロから構築しなくても成果を提供することができる。

2. すぐに利用可能なAIエージェント

 Agentforceのすぐに利用可能なAIエージェントは、カスタマイズを行うことができ、コーディングせず導入が可能。セットアップ後は容易に拡張でき、さまざまなチャネルで24時間稼働する。

Service Agent:従来のチャットボットをAIに置き換え、事前にプログラムされたシナリオなしでさまざまなサービスの問題に対応でき、カスタマーサービスの効率を向上させる。

Sales Development Representative (SDR):24時間365日、見込み顧客と関わり、CRMや外部データに基づいて質問への回答、見込み顧客の否定的な反応への切り返し、見込み顧客の特定、ミーティングの設定まで行うことができる。これにより、企業はより深い顧客との関係構築に集中することができる。

Sales Coach:Salesforceのデータと生成AIを活用し、営業チーム向けに案件内容に応じてパーソナライズされたロールプレイセッションを提供する。

Merchant:サイトや目標の設定やパーソナライズされたプロモーション、製品説明、データドリブンなインサイトを提供することで、EC事業者を支援し日々のタスクを簡素化する。

Buyer:BtoBの購買体験を強化し、購買担当者がチャットまたは販売ポータル内で製品を見つけ、購入し、注文を追跡できるようになる。

Personal Shopper:ECサイトやメッセージングアプリでデジタルコンシェルジュとして、パーソナライズされた製品のレコメンデーションや商品検索の支援を行う。

Campaign Optimizer:キャンペーンのライフサイクル全体を自動化し、AIを活用してビジネス目標に基づいたマーケティングキャンペーンの分析、コンテンツ生成、パーソナライズなどを実行する。

Agentforce(旧Einstein Copilot):Einstein Copilotは、データを検索し、推論して計画を立て、行動を起こすことができるAIエージェントにアップグレードされた。パーソナライズされたアシスタント型のAIエージェントが組み込まれ、データを検索・分析し、行動計画を作成し実行することで、具体的なタスクで従業員の仕事の流れをサポートし、業務の効率を向上させる。

3.AIエージェントのカスタマイズと迅速な展開

Agent Builder:AIエージェントを構成するために、フロー、プロンプト、Apex、MuleSoft APIなどの既存のツールを使用して、利用可能なAIエージェントをカスタマイズしたり、さまざまな職種、業種、ユースケースに対応するAIエージェントを構築するためのローコードビルダー。Agent Builderを使用することで、組織はトピックを定義し、そのトピック内で自然言語による指示を記述し、AIエージェントが選択できるアクションのライブラリを作成することによって、AIエージェントに実行させるジョブを設定できる。さらに、AIエージェントの行動計画を観察し、Agent Builderでその応答をテストすることもできる。

Model Builder:Salesforce全体でカスタムAIモデルとLLMを登録、テスト、有効化するためのローコードビルダーとコントロールプレーン。顧客は、モデルビルダーを使用して、選択したLLMのAPIキーを取得し、プレイグラウンドでテストし、Prompt Builderで使用するために有効化することができる。

Prompt Builder:Prompt Builderを使用することで、顧客は利用可能なプロンプトのテンプレートを独自のCRM、またはData Cloudのデータでカスタマイズし、生成結果のアウトプットを強化できる。自動化されたワークフロー、Lightningのレコードページ、あるいはAIエージェントのアクションの中など、生成AIを利用したユーザエクスペリエンスを業務フローに組み込むことができる。

4. Agentforceのパートナーネットワーク

 Agentforceのパートナーネットワークは、Amazon Web Services、Box、Certinia、Copado、Coupa、Google、Honeywell、IBM、Workdayなどのパートナーのグループ。これらのパートナー企業は、Salesforce AppExchangeを通じて利用可能となる20以上のエージェントとエージェントアクションを構築した。顧客は、Agent Builderでこれらのアクションを活用し、利用可能なAIエージェントをカスタマイズしたり、独自のスキルを持つ新しいAIエージェントを構築したり、パートナーが構築したAIエージェントを導入することで、Salesforceの外でも、複数のシステムやチャネルにわたりさまざまな組織に代わって計画を立てたり、アクションを実行したりすることができる。

 たとえば、顧客はIBMのアウトバウンドのセールスデベロップメントのAIエージェントを使用して、さまざまなアプリケーションやカスタムデータソースにまたがるインサイトをオーケストレーションすることで、新しい見込み顧客を見つけることができるようになる。また、WorkdayのAIエージェントを使用して、使いやすい従業員サービスを提供することもできるようになる。また、Google Workspaceアクションのようなパートナーエージェントのアクションを使用して、Google DocsやGoogle Slidesのプレゼンテーションを作成したり、Boxアクションを使用して、取引先、リード、または商談に適したコンテンツをインテリジェントに表示することができるようになる。

 これらの統合は、パートナーとData Cloudのシームレスなデータ接続を可能にする Salesforceのゼロコピーパートナーネットワークに基づいている。また、Salesforceの導入パートナーは、導入を加速し、顧客の価値実現までの時間を改善するうえで重要な役割を果たす。

Salesforce 会長 兼 CEO 兼 共同創業者 マーク・ベニオフ(Marc Benioff)氏のコメント

 AgentforceはAIの第3の波を象徴するものです。Copilotからさらに進化し、非常に正確で、ハルシネーションが少なく、顧客の成功を積極的に推進するインテリジェントなAIエージェントの新時代を切り拓きます。他のプラットフォームとは異なり、AgentforceはあらゆるワークフローにAIをシームレスに統合し、カスタマージャーニーの中心に深く組み込まれた信頼性の高い革新的なソリューションです。つまり、ニーズを予測し、関係を強化し、成長を促進し、あらゆるタッチポイントで積極的な行動を取ることを意味します。他社ではAIをDIYで開発していく必要がありますが、Agentforceは即効性と拡張性を備え、それぞれの顧客に最適化されたエンタープライズ対応のプラットフォームを提供します。高度なセキュリティ機能、業界標準への準拠、そして比類のない柔軟性を備えています。当社のビジョンは大胆です。2025年末までにAgentforceで10億人の従業員に力を与えるというものです。これがAIのあるべき姿なのです。

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