1週間サイクルの「5つのアクション」で価値を訴求しよう
自社の価値がわかったら、それをどのように訴求すれば良いのか。月曜日から金曜日の1週間の流れになぞらえ、価値訴求する際の5つのアクションを紹介した。
月曜日は「教える・学ぶ」。まずは価値訴求の方法を学ぶ必要がある。川上氏は自社で採用している方法として「ブロックカード」を紹介した。ブロックカードは、価値を伝えるための資料・トークを起こしたいわば“あんちょこ”的な教材だ。また、カードだけでなくプレゼン動画も教材化している。これをウェブにアップし、スマートフォンでいつでも確認できるようにしていると言う。顧客は「同じような悩みを有している企業が、そのサービスでどんな顧客体験を得られたのか」という「事例」を求めている。顧客の実際の声を交えた事例を用意すると効果的だ。
火曜日が「練習」。先ほどのブロックカードを基にロールプレイングを行う。ソフトブレーンの場合、新卒はまずロールプレイングで価値訴求できるようになることを目指す。ブロックカードに紐づいた採点表をつくり、70点以上を記録すると顧客への訪問ができるようになる。
水曜日は「実践」だ。ウェブ商談の場合、次の「振り返り」のために顧客の許可を得て録画できると良い。商談で価値訴求を実践するときのポイントとして、川上氏は「結論ファースト」を挙げた。「こちらは○○様に対して▲▲なメリットをもたらします」のように、顧客が得られる価値を最初に伝えることが重要だ。
木曜日は「振り返り」である。チームで週に1回、商談動画を見ながらフィードバックを行うと良い。商談中には見えていなかった顧客の反応を俯瞰的に見ることで改善につながると言う。
最後の金曜日は「改善」。振り返りを経て「どうすればお客様により価値が伝わるのか」という改善方法をメンバー全員で考える。改善案をマネージャーから押しつけるのではなく、商談を行ったメンバー自身が、顧客から得られた反応を客観的に見たうえで改善する。このサイクルを回すことで商談内容は良くなっていくと言う。
川上氏はまとめとして、「スペック・企業説明は捨て去り、価値訴求に全振りしましょう」と改めて強調した。これからの時代を生き抜くためには、高い付加価値を提供できる営業パーソンを目指さなくてはならない。顧客は良い顧客体験を得るための価値を判断軸にしているため、自分たちの価値がわからなくなったら、既存顧客にたずねることが有効だ。
そして、価値訴求のアクションは「学ぶ・教わる」「練習」「実践」「振り返り」「改善」のサイクルを1週間単位で回していく。このとき、マネージャーの一方的な意志で行うのではなく、顧客に相対しているメンバーを巻き込んでいくことがポイントになる。川上氏は「これらが、価値訴求できる営業組織をつくるうえで有効な策です」と話し、セッションを締めくくった。