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2024年11月20日(水)15:00~17:10

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マイクロソフトが語る、カスタマーサクセス主導のチェンジマネジメントと社内協業を促進するテクノロジー

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人改革(チェンジマネジメント)による経営課題の解決

 最後に、CSMが顧客企業に向き合うときに重視してきた「人の意識や振る舞いの改革(チェンジマネジメント)」の要諦が共有された。チェンジマネジメントとはプロジェクト成功に必要とされる3つの要素のひとつである。新しいプロセスや技術、ツールの導入に対し、心理的な抵抗を覚えたり、変化を拒む抵抗勢力が出現したりするのに対し、人の心理的側面からアプローチして変革を組織全体に波及させるマネジメントだ。

 榎本氏は、チェンジマネジメントとCSMの関係について「新しいツールや製品を使い始めるときや、親しみを持って行ってきたプロセスを変えていくことに対し、人はどうしても抵抗を持ってしまう。そこで全体のスムーズな変革をマネジメントするのも、カスタマーサクセスマネージャーの役割として、非常に重要な仕事」と語った。

 製品や制度を導入することで、なにが変わり、なにが良くなるのかということを、心から理解して貰うためには、高い熱量が必要になる。そこで、ツールの使い方の学習や利用方法の提案を活性化し、けん引するリーダシップのある存在に参画してもらい、プロジェクトの目標を明確にしながら全員をまとめ、組織全体に波及させることが必要だ。

 CSMは、チェンジマネジメントのプロフェッショナルとして顧客の組織改革をサポートする立ち位置だ。導入後の単純な技術サポートだけでなく、組織的な意識の変革までサポートする。チェンジマネジメントがうまく行かず、せっかく新しいサービスや機能を導入しても使われなかったり、経営層から投資に見あった貢献が見えないと言われたりする例は少なくない。

 そこで伊駒氏は、チェンジマネジメントを学ぶために「次の3つのことを軸として検討するワークショップを展開した」と話す。

1)状況の把握

 プロジェクトを自分ごととして捉え、会社が置かれた状況を踏まえて、プロジェクトのコンセプトやミッションステートメントを改めて考える機会を設けた。

  プロジェクトにおいて、たとえばビジネスや業務の観点でなにを成し遂げるのか、会社組織の望ましい状態とはどのようなものかを、現場目線で検討することで、なぜ新しい技術やツール、システムの導入が必要とされているのかを心から理解できる。

2)抵抗勢力への対策

 前述のとおり、既存のシステムややり方が変わることに対し、心理的な抵抗を覚えることがある。それ自体は自然な反応だ。しかし、組織やシステムを変革するには抵抗を和らげ、全体に変化を波及させる必要がある。

 そこで、部下や同僚など、さまざまなバックグラウンドやキャラクターを持つ人物が存在する組織の中で、誰がどのような思考回路で仕事をしているのかをリストアップ。そして、それぞれに対してもっとモチベーション高く仕事に取り組んでもらうためのコミュニケーションを、チェンジマネジメントの観点から整理した。

3)行動心理の学習

 心理面に着目しながらプロジェクトを推進するためのモニタリングだ。定点観測的にプロジェクトの進捗をモニタリングすることで、ゴールに近付いた割合や課題について、Plan-Do-Seeのサイクルを回した。このプロセスによって、部下や同僚に対する声かけやコミュニケーションのアプローチを整理し、人間の行動心理を学ぶ機会を得られるというわけだ。

「導入した製品がうまく活用されていない例をヒアリングしてみると、目的やゴールが整理されて、一見まったく問題ないように見えていても、さまざまな問題が浮上してくる」と語る伊駒氏は「会社の方向性や経営陣の考えと現場の意識ギャップの埋め方や、抵抗勢力に対してどういうふうに向き合うかを、きちんと検討できていない」と原因に言及する。

 ともすれば潜在化してしまう問題の解決に伴走し、顧客を成功までサポートするのも、CSMの重要な役割と言える。

「我々はデジタルの力を通じて、顧客が抱えるビジネス課題を解決したり、ビジネス目標を達成したりするということにフォーカスしている。顧客の成功がすなわち、マイクロソフトの成功であると捉えている」と伊駒氏は語り、セッションの締めとした。

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この記事の著者

猪飼 綾(イカイ アヤ)

キクカク及びライティングユニットおたばぶのライターとして、IT・機械技術を中心に、ものづくりから飲食まで幅広い分野で取材・執筆。また、読者に愛されて、積極的かつ継続的な購買につながるファンマーケティングの観点から、オウンドメディアの運用支援やSNS運用など、Webマーケティング、ブランディング支援を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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