コロナ禍でインサイドセールス支援の問い合わせが急増
――まずは、上田さんのご経歴から教えていただけますか?
スマートキャンプに入社するまでの約10年間、コールセンター業務を中心にBPO業界でキャリアを積んできました。1社目からオペレーターとして入社し、新規のアウトバウンドコールを行う部署でリーダー職を経てスーパーバイザーとして教育や管理業務を担当しました。当時はインサイドセールスという言葉がなかったため、テレマーケティングという枠組みの中で要件設定やKPIの試算、メンバーの採用と教育まで幅広く担当していました。
2社目の大手人材会社ではBPO事業の立ち上げに携わり、1から体制を作っていきました。新規コールセンター運営のいろはを学び、BPOの新規受託を目指すフィールドセールスも東京で1年間経験しました。訪問メインの営業手法を経験し、新規開拓の業務に非効率を感じたことと、これまでのコールセンター経験が掛け合わさり、インサイドセールスへの関心が強くなっていきました。
北海道で都内と同様のスピード感や環境でインサイドセールスに取り組める会社を検討していたところ、「BALES」を提供するスマートキャンプを見つけ、ジョインしました。現在はBALESの運営責任者として現場を統括する立場にあります。
――どのような悩みを抱える企業からの問い合わせが多いのでしょうか。
新規開拓のご依頼はもちろん、休眠顧客にアプローチしたくてもリソースが足りず困っているというご相談を多くいただいています。また、業界傾向として新しいITシステムや手法の導入が遅れているレガシーな業界や、インバウンドの流入が期待しづらい地方企業を開拓したい企業様からもお声がかかることは多いです。お取引先のほとんどがSaaSをはじめとするIT業界の企業様で、特にコロナ禍ではオンラインツールを提供する企業様からの問い合わせが爆発的に増えています。
――御社はさまざまな業界におけるインサイドセールス支援のノウハウをお持ちですが、業界別に留意すべきポイントも違うのでしょうか。
たとえば人材業界の場合、最初に接触したときにお客様が採用に困っていなくても別のタイミングで電話をしたときはまさしく人を探していたというケースがよくありますから、営業担当者はとにかくお客様とつながっておく必要があります。インサイドセールスチームが定期的なコミュニケーションをとることができていれば、次の採用タイミングをつかみやすく、お客様が動き出す直前にアプローチできます。
SaaS業界ではインサイドセールスがお客様の「目指したい姿」をトークから導き出し、自社製品の必要性を感じてもらいやすい商談を作ることが重要です。流行りのテクノロジーはソリューションの紹介というだけで商談設定(アポイント)はとりやすいですが、お客様の現状と目標が確認できていないまま商談に臨むと情報提供だけで終わってしまいます。