オープンから3ヵ月後のリアルイベント開催でSalesZineへのニーズを確信
ーー初年度ながら無事予算を達成しました。軌道に乗ったのはいつですか?
宮田 オープン3ヵ月後の7月には、第1回のイベント「SalesZine Day 2019 Summer」を開催しています。読者もクライアントもついてきてくださったので、SalesZineの需要があるという、ひとつの自信にはなりました。
富安 たしかに冷静に振り返ってみると、第1回のイベント開催までが早い(笑)。リアルイベントは準備に3ヵ月はかかるので、4月には開催を決めていたってことですもんね。
宮田 オープン前にも、メディアのご紹介や情報収集のためさまざまな方にお会いしていたのですが、すでにSales Techベンダーの皆さんの盛り上がりが感じられました。Sales Techの情報を届けたいという方はたくさんいらっしゃる。ただ、その情報を受け取りに実際にイベント会場に足を運んでくださる方がどれだけいるかは不安でした。第1回のイベントをなんとかやり遂げ、来場者の方が営業分野へのテクノロジー活用に困っていらっしゃることがわかり、情報の受け取り手にも需要があることを確信しました。
富安 正直なところ、僕は異動して3ヵ月だったこともあり、自分が担当しているメディアがイベントをやることの重みをよくわかっておらず、だからこそ緊張もしないという状態でした。より思い入れがあるのは、1月に開催した第2回「SalesZine Day 2020 Winter」です。規模も拡大し、媒体担当としての自覚もあるうえでの開催だったので、手応えを感じました。
宮田 第1回は、250名の方に事前登録いただいていましたが、第2回は500名超えでしたもんね。
富安 ウェブについては、既存のメニューとは別にebookという、読み物コンテンツを中心とした編集部がまとめるホワイトペーパーの広告プロダクトを作りました。社内でも評価してもらい、自分でも「これはいけるだろう」と自信を持っていた企画が、結果としてひとつも受注が決まらなかったという経験があります。もうこの企画はあきらめなくてはと思ったタイミングが、ちょうど通期の予算達成の確度がそろそろ決まるという時期だったんですよね。
宮田 単発の案件は途切れずいただいていたのですが、自分たちで考えた広告メニューが形になったのは12月でしたよね。
富安 こちらもebookですが、企画は別のものでした。「こういう企画を待っていた」というお声もいただき、クライアントのニーズにあった企画を立てられたのかなと思っています。その際、商談でのトークのような自分の営業スキルを磨くことも重要だけれど、そもそもニーズがないモノは売れないんだなと気づきました。発想を変えれば、ニーズをつかめれば売れるし数字も作っていけるということです。
宮田 初年度ですから事例もなく、外れた企画の何がダメだったのかを検証する材料も少ないという状況だったけれど、トライ&エラーを何度も何度も重ねて、クライアントにたくさん教えていただいたということですよね。最初の頃の企画も企画自体が悪かったわけではなく、メディアに対する認知度も原因だったかもしれない。新しくできたものを伝えるって、難しいですよね。たとえばテクノロジーにそれほど強くない方に、Sales Techのメディアをどう伝えるのか。そこは富安さんがとても工夫してくれています。
富安 提案書や媒体資料を作る際には、視覚的にも伝わるようにグラフを作ったり、客観的な数字を入れてみたりと気を遣っています。四半期に一度媒体資料をアップデートするため、それが自分たちのメディアの業界内での立ち位置や存在意義を再確認する良い機会になっています。
ーーメディアが軌道に乗っていく過程で、チームとしての変化はありましたか?
宮田 富安さんは入社2年目、広告営業に成り立てでの媒体担当でした。私が広告営業を経験していたこともあり、当初は、広告のことも私が考えなくてはいけないかなと思っていました。でも一緒にアポに行くと、富安さんがSalesZineのことを私とは違う視点で説明してくれました。年の後半になると、富安さんのプレゼン力は広告課内でも認められるようになっていました。SalesZineのことをよく理解し売ってくれる人ができた、ひとり編集部としてはとても安心できたタイミングです。
富安 案件が増えてきた頃、宮田さんがたいへんそうだなと思いながらも、営業としては喜ばしいことだなと思いましたね。だからこそ、早く仲間に来てほしいのですが。
宮田 私がたいへんそうにしていると、富安さんはお菓子をくれましたよね。
富安 宮田さんからは靴下をもらったことがあります。
宮田 お互い、編集として、営業として1年目でのメディアの立ち上げでしたから、メンタル面でつらい時も当然ありました。どちらかが落ち込んでいるときに、もう片方が気にしているという関係になれたかと思います。それは、チームとしてのコミュニケーションなのかもしれません。なおこの対談には登場していませんが、私たちの自信になったイベントを支えてくれた、イベント課の川上さんがいます。SalesZineが良いスタートを切ることができたのは、彼女の力によるところも大きいです。イベント課も含めてSalesZineのチームです。