パーソル総合研究所は、2020年から実施しているテレワークに関する定量調査の10回目となる「第十回・テレワークに関する調査」（2025年7月実施）の結果を発表した。
テレワーク実施率（正規雇用社員）
2025年7月のテレワーク実施率は22.5％で、前年同期比でほぼ横ばい。テレワークは定着傾向にあることがわかった。
テレワーク実施率（企業規模別）
企業規模別に見ると、25年7月には企業規模10,000人以上の大手企業において、テレワーク実施率が3.6ポイント減少した。
実施率（業種・地域別）
業種別に見ると、情報通信業が変わらず56.3％で最上位。もともと実施率が低い「宿泊業、飲食サービス業」がさらに低下傾向。地域別には、関東圏が31.7％で最上位だった。
実施率（職種別）
職種別に見ると、「コンサルタント」「IT系技術職」の実施率が高い。「Webクリエイティブ職」「広報・宣伝・編集」「営業推進・営業企画」「資材・購買」がこの2年で減少した。
実施率（雇用形態別）
雇用形態別に見ると、「パート・アルバイト」がもっともテレワーク実施率が低く、11.1％だった。前年同期比では、「公務員」「派遣社員」で微減した。「契約・嘱託社員」「パート・アルバイト」は微増傾向だった。
テレワーク実施頻度
テレワークの実施頻度は、「1週間に1日未満」が29.1％、「1週間に1日程度」が20.3％となり、週1日以下のテレワーカーは合計で49.4％となった（前年は43.6％）。前年（2024年）との比較では、週1日以下の頻度でテレワークを行う層が増加しており、頻度全体としては減少傾向が見られる。
また、昨年からの変化を直接たずねた設問では、頻度が「減った」と回答した割合が35.8％と、もっとも多かった。
実施頻度（職種別）
職種別にテレワーク頻度を見ると、「IT系技術職」「コンサルタント」が高く、週1.8回を超えた。実施率と同様に、全体的に企画系のホワイトカラー職のテレワーク頻度が高かった。
企業方針
テレワークについての企業方針（従業員回答）は、62.2％が「特に会社からの指示は無い」。2024年と比較すると全体的に「原則出社の指示」が微増した。とくに企業規模10,000人以上の会社で増加した（前年比3.6ポイント増）。
非実施理由
テレワークを実施していない理由を聴取した。経年変化を見ると「テレワーク制度が整備されていない」が継続的に上昇し、「テレワークで行える業務ではない」を逆転した。
テレワークに関する就業意識
テレワーク継続希望意向
テレワーク実施者に、今後のテレワーク希望を聴取した。「続けたい」合計で82.2％と過去最高だった。2020年後半以降、高止まりの状態が続いている。
困りごと・不安感
テレワークでの困りごとは、「運動不足を感じる」が最上位だが、全体的には減少傾向だった。「部下の仕事の様子がわからなくなった」（上司のみ回答）だけがここ2年で増加傾向。不安感は、「相手の気持ちがわかりにくく不安だ」が最上位となった。
【調査概要】
