チューリッヒ生命保険は、全国1,000人のビジネスパーソンを対象に、今年で7回目になるストレスについての調査を実施した。加えて、働き方に関する変化やハラスメントの実態、ウェルビーイングの認知度についての調査も実施した。
Q1 あなたが普段、仕事をする上で、最もストレスを感じる要因を教えてください。(単数回答、n=1,000)
普段、仕事上でもっともストレスを感じる要因について質問したところ、もっとも多かったのは「給与・賞与(金銭面)」が21.7%で、経済的な不安が4回連続で1位という結果になった。次いで、「仕事内容」が17.8%、「上司・部下以外の社内の人間関係」が15.4%、「上司との関係」が13.6%という回答だった。
過去のトップ5と回答が同じことから、とくに経済面でのストレスが近年の悩みとして大きく、また、新しい働き方が浸透してきても変わらず、ビジネスパーソンのストレスや悩みになっていることが明らかになった。
Q2 普段仕事をする上で、もっともやりがいを感じる場面をお答えください。(単数回答、n=1,000)
仕事をする上で、もっともやりがいを感じる場面について質問したところ、もっとも多い回答は「給与・賞与をもらったとき」で23.1%。次いで、「感謝をされたとき」が16.4%という回答だった。
年代別に見ると、20代でもっとも多かったのは「給与・賞与をもらったとき」で55.2%、次いで「目標を達成したとき」が23.2%という回答だった。一方、50代でもっとも多かったのは「感謝をされたとき」で40%、次いで「給与・賞与をもらったとき」が32%という回答で、年代によって仕事のやりがいが異なることが明らかになった。
Q3 さまざまなストレスにより精神面の不調や不安を感じることがありますか。(単数回答、n=1,000)
ストレスにより精神面の不調や不安を感じることがあるか質問したところ、「とても感じている」が15.9%、「やや感じている」が30.2%、「どちらともいえない」が29.8%、「あまり感じていない」が13.8%、「全く感じていない」が10.3%という回答だった。
ストレスにより精神面の不調や不安を感じる人(「とても感じている」「やや感じている」)の合計が46.1%と約半数を占め、ビジネスパーソンが日々ストレスと隣り合わせであるという結果になった。
Q4 なぜ精神面の不調や不安を感じていると思いますか。(複数回答、n=461。さまざまなストレスにより精神面の不調や不安を感じていると回答した人のみ)
ストレスにより精神面の不調や不安を感じていると回答した人に、なぜ精神面の不調や不安を感じていると思うか質問したところ、トップ3は「職場での人間関係によるストレス」が45.8%、「経済面の不安によるストレス」が38.4%、「仕事の負担感によるストレス」が38.2%という回答だった。
Q5 あなたは今現在、一週間で平均何日間程度の在宅勤務を行なっていますか。(単数回答、n=1,000)
一週間の平均在宅勤務日数を聞いたところ、「0日(フル出社)」が61.7%と6割以上を占め、次いで、「週5日」が15.8%という回答だった。在宅勤務の働き方を認める企業と、フル出社を推奨する企業と、二極化してきたといえる。
Q6 昨年(2023年)4月~今年(2024年)3月の期間に取得した有給休暇で行ったことを教えてください。(単数回答、n=818)
有給休暇で行ったことを質問したところ、トップ3は「ゆっくり過ごす」が48.7%、「国内旅行」が37.8%、「家のことをする(掃除や洗濯など)」が29.6%という回答だった。
Q7 希望する定年退職の年齢をお答えください。(単数回答、n=1,000)
希望する定年退職の年齢を聞いたところ、「65歳」が25.4%でもっとも多く、「70歳以上」が8.6%という結果だった。65歳以上と回答した糸を合計すると39.2%となり、人生100年時代といわれる中、年齢を重ねても働きたい意欲がある人が一定数いることがわかった。
Q8 ハラスメントに関する言葉について、ご存知ですか。(それぞれ単数回答、n=1,000)
ハラスメントに関する言葉を知っているか調査したところ、もっとも知られているのは「パワハラ」が70.8%で、次いで「セクハラ」が70.6%、「モラハラ」が54.8%という回答だった。
一方、知られていなかったのは、「パタハラ(※1)」が70.6%、「時短ハラ(※2)」が69.9%、「ケアハラ(※3)」が68.4%という回答だった。ここ数年で見聞きするようになったハラスメントはあまり浸透していないことがわかった。
※1 パタニティハラスメント:男性が育児時短や育休を請求したり取得したりすることで不利益な扱いや、嫌がらせを受ける行為、言動
※2 時短ハラスメント:業務が終わっていない状況でも、社員に定時での退社を強要すること
※3 ケアハラスメント:家族の介護をしている介護者に対して、仕事と介護を両立しようとする状況への嫌がらせ
Q9 あなたの職場で、実際に身の回りで見聞きしたことがあるハラスメント、あなたが実際に受けたことがあるハラスメントをそれぞれすべて教えてください。(それぞれ複数回答、n=940)
職場で、実際に身の回りで見聞きしたことがあるハラスメントを質問したところ、「パワハラ」が39%、「セクハラ」が27.9%、「モラハラ」が18.6%という回答だった。
また、実際に受けたことがあるハラスメントを質問したところ、「パワハラ」が23.7%、「セクハラ」が9.5%、「モラハラ」が8.9%という回答だった。身の回りで見聞きしたことがあるハラスメントと同様の回答となった。
男女別に、実際に受けたことがあるハラスメントを見ると、「パワハラ」は男女ともに同程度だが、「セクハラ」は女性が3.4ポイント多い結果となった。また、男性が「アルハラ」「ロジハラ」などを女性よりも多く受けていることがわかった。
Q10 ハラスメントを見聞きした後、ハラスメントを受けた後、どのように対処しましたか。(単数回答、ハラスメントを見聞きした後の対処n=494、ハラスメントを受けた後の対処n=342)
ハラスメントを見聞きした後、どのように対処したかを質問したところ、「何もできなかった」が58.7%でもっとも多かった。多くの人は他者のハラスメントに遭遇しても行動に移すことは難しく、その結果ハラスメントが放置されてしまっている現状がわかった。
実際にハラスメントを受けた後、どのように対処したかも質問したところ、「何もできなかった」が48.5%でもっとも多かった。ハラスメントを受けても、どのように対応してよいのかわからず、自らの中で抱えてしまう人が多い現状がわかった。
Q11 あなたは「ウェルビーイング」という言葉を知っていましたか。(単数回答、n=1,000)
身体的、精神的、社会的に良好な状態であることを意味する概念として「ウェルビーイング」という言葉がある。この「ウェルビーイング」という言葉を知っているかどうかを質問したところ、「内容まで詳しく知っている」10.6%と「ある程度内容を知っている」17.9%が合わせて28.5%となった。一方、「知らない」と回答した人は48.2%だった。2023年に行った同様の調査の回答と比較すると(「知らない」と回答した人:55.6%)、「ウェルビーイング」という言葉の認知が上がっていることがわかった。
【調査概要】
調査の方法:ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用しウェブアンケート方式で実施
調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20歳~59歳の有職者を対象に実施
有効回答数:1,000人(20代・30代・40代・50代、男女:各125人)
調査実施日:2024年8月8~9日