アドビは、「Adobe Workfront Planning」を提供開始したことを発表した。プロジェクト管理ソリューション「Adobe Workfront」の一部であるこの製品は、マーケティングチーム全体にわたって断片化されたワークフローとデータを結びつけ、実用的なインサイトを提供することで、企業のマーケティングキャンペーンの実行を支援する。
マーケターは、実質的なリソース追加ができない中で、高度にパーソナライズされた顧客体験の提供を以前にも増して求められている。この課題に対処するために、Workfront Planningでは業務の「メタデータ」の定義と作成を通じてマーケティング業務の可視化を可能にする。同様のシステムにより、これまで営業や財務などのほかの部門はデータインテリジェンスを活用したプランニングや実行をしており、Workfront Planningはマーケティングに特化した記録のシステム(SoR) となる。
Workfront Planningは、マーケターが個別のチームに情報をヒアリングして回ることなく、「今年、自社は何件のキャンペーンを実施しているのか」「自社のキャンペーンでもっとも頻繁に使用されている戦術は何か」といった質問に答えられるようにする。 ユーザーは、整理および視覚化された情報とAI搭載の会話型インターフェイスの両方を通じて、実用的なインサイトにすぐにアクセスできる。これにより、新規のキャンペーンの計画と立ち上げにかかる時間を短縮でき、タイミングや目標について異なるチーム間で調整するといった作業を削減できるようになる。また、生成AIを活用して情報を要約したり、マーケティング記録を最新の状態に保ったり、新規キャンペーンの準備を加速したりできるため、市場投入までの時間が削減される。
アドビ デジタルエクスペリエンスビジネス担当シニアバイスプレジデント アミット・アフジャ(Amit Ahuja)氏のコメント
現代のマーケターの日常業務は、ますます複雑化しています。同僚の取り組みを十分に把握できないまま、異なるチームが個々のキャンペーンに邁進しているからです。結果として、マーケティング業務は断片化し、プログラムや関係者の調整に多くの時間が費やされるという問題が生じます。Workfront Planningは、キャンペーンのプランニング、マーケティングブリーフの作成、チーム間の作業の調整を一元的に行うことで、この問題を解決します。
Workfront Planningの主な機能
整理および視覚化された情報
Workfront Planningのマーケティングカレンダーは、日々のマーケティング業務を視覚化する。たとえば、タイムラインビューでは、すべてのアクティブなキャンペーンが、チームや関係者ごとにカスタマイズ可能な時系列で表示される。ロイヤリティプログラムの会員など特定のオーディエンスを対象としたキャンペーンや、ホリデーシーズンのプロモーションなど特定の目的のためのキャンペーンを自動的に表示することもできる。スプレッドシートビューでは、各キャンペーンを掘り下げて確認でき、キーメッセージから、チームメンバー、プロジェクトのステータスに至るまで、エンドツーエンドの可視性を提供する。
生成AIによるブリーフ作成
提供開始予定の生成AI機能が、既存の計画書をもとにしたキャンペーンの登録を支援し、すぐに作業を開始することができる。マーケターは、既存のアセット(プロジェクトの詳細を説明するプレゼンテーション資料など)をアップロードすることで、キャンペーン記録を作成し、マーケティングブリーフを生成することができる。この機能が提示する整理されたビューには、マーケティング戦術や目的、関連アセットやスケジュールなどが含まれる。また、生成AIを搭載したWorkfront Planningの会話型インターフェイスにより、ユーザーは異なるキャンペーンを横断して詳細なクエリ情報を照会でき、プランニング段階で生じる緊急の質問への回答を支援する。
使いやすい記録管理
効果的なプランニングには、正確かつ最新の状態に保たれたマーケティング記録が必要になる。これらの記録にはターゲットとなるオーディエンスや地域、戦術、関連する事業部門など、マーケティングの「メタデータ」とも呼ばれる詳細情報が含まれる。生成AIを搭載した会話型インターフェイスにより、プランの進展に合わせて記録を自動的に作成または更新することができる。 マーケターは、最新のキャンペーンの詳細を記載したWord文書などのアセットをアップロードすることで、記録を自動的に更新できる。また、記録はマーケティンググラフとも連携し、チームやワークフロー間のつながりを視覚化できる。その結果、キャンペーンの整合性を高めるための追加のインサイトが得られ、市場投入までの時間を削減することができる。