慶慶應義塾大学とコンカーは、研究費及び経費管理の業務プロセス改革を目的とした実証実験を共同で開始する。
慶應義塾大学で発生する請求書処理にコンカーの請求書管理クラウド「Concur Invoice」を、立替経費精算に経費精算・管理クラウド「Concur Expense」を利用することで、業務効率化・ペーパーレス化を目指すという。なお、本実証実験環境はコンカーが無償提供している。
実証実験は、慶應義塾大学理工学部の経費精算処理を中心に開始。理工学部では、毎年約5~6万件の請求書・領収書が発生しており、目視検査による多重チェック、上長承認時や各部署間の紙の証憑の回覧や、回覧後の会計システムへの入力業務が、教職員の大きな負担になっているという。
今回の実証実験では、紙の見積書・納品書・請求書・領収書及びそれらを補足する添付書類について、Concur Invoice、Concur Expenseを使って電子データとして管理することで、業務プロセスの効率化やペーパーレス化の有効性を検証。実証実験には理工学部以外も参加し、慶應義塾大学の全部門への将来的な展開の可能性についても検証する。
Concur Invoice、Concur Expenseで、複合機やスキャナーなどで電子化した請求書・領収書データを集中管理することで、承認フローをクラウド上で管理できるほか、規程チェックの自動化により、承認者や経理担当者の管理業務を削減し、業務効率化が見込める。また、Concur Expenseのモバイルアプリで撮影することで領収書の電子化が可能なため、外出先でも経費精算ができるほか、クレジットカードの利用明細がConcur Expenseに自動登録されるため、手入力の省力化により外出の多い職員や教員・研究員の生産性向上も期待できる。さらに、Concur Invoice、Concur Expense上で保管された請求書・領収書データは検索できるため、監査対応の負担を大幅に削減できるほか、将来的に紙の証憑の保管コストの撤廃も考えられるという。
大学をはじめとした公共機関における経費管理の業務効率化、ペーパーレス化への期待は、今後さらに高まることが予測される。コンカーでは2019年4月より、学校法人、中央省庁、地方自治体、独立行政法人、病院などの公共機関向けに、SAP Concurソリューションの実証実験環境を先着10団体に対して無償で提供することを決定しており、公共機関の間接業務・間接費管理のデジタル変革を支援している。