NTTコムオンライン・マーケティング・ソリューション(以下、「NTTコムオンライン」)は、生命保険業界を対象に、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSベンチマーク調査2019を実施。この結果、最もNPSが高いのはプルデンシャル生命保険(以下、「プルデンシャル生命」)となった。業界全体でみると、加入している保険を「十分に理解している」契約者のロイヤルティが高い一方、理解が不十分な契約者のロイヤルティは低く、理解促進の重要性が示唆される結果となった。
NPS(Net Promoter Score)とは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを図る指標。日本においても顧客満足度にかわる新しい指標として、NPSを活用する企業が増えてきている。
NTTコムオンラインNPSベンチマーク調査は、NPSの指標を共同開発した米国Satmetrix社の調査手法に基づき実施。人口構成に沿ったモニター抽出を行い、信頼性の高いデータを各業界のNPSのベンチマーク(基準)として発表している。同時に、業界リーダーとなる1位企業の表彰も行うもの。
調査結果のポイント
1.NPS1位はプルデンシャル生命
生命保険業界13社のうち、NPSのトップはプルデンシャル生命(-39.3ポイント)。最下位の企業との差は22.5ポイントで、対象の13社の平均は-51.9ポイントとなった。
2.「推奨者」は企業の寄り添う姿勢、顧客の声を大事にする姿勢を評価
NPSセグメント別に要因別の満足度を分析したところ、「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者)は、「企業の寄り添う姿勢・お客さまの声を大事にする姿勢」、「担当者の知識の豊富さ」を特に高く評価していた。担当者の質の高さに加え、顧客への姿勢に対する高評価が、ロイヤルティを押し上げている結果に。 NPS1位となったプルデンシャル生命は、「企業の寄り添う姿勢・お客さまの声を大事にする姿勢」や「担当者の知識の豊富さ」を含む複数の項目で、業界トップの評価を得ていた。
3.保険内容を「十分に理解している」契約者はNPSが高い
加入している保険商品の理解度について調査したところ、「十分理解している」契約者は全体の33.7%となった。「契約時は理解していたが、現在は曖昧である」は43.0%、「現状に見合った保険商品が理解できていない」は13.2%など、加入している保険の内容を把握できていない契約者が過半数を占める結果に。
また、理解度別にNPSを分析したところ、「十分理解している」契約者は-32.7ポイントと最も高く、次いで、「契約時は理解していたが、現在は曖昧である」の-53.3ポイントに。一方、「現状に見合った保険商品か理解できていない」契約者のNPSは-82.1ポイントと最も低い結果となった。
調査概要
- 調査対象企業(50音順):アクサ生命、アフラック、オリックス生命、かんぽ生命、住友生命、ソニー生命、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命、第一生命、東京海上日動あんしん生命、日本生命、プルデンシャル生命、明治安田生命、メットライフ生命の13社
- 調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち、上記生命保険加入者
- 調査方法:NTTコムリサーチによる非公開型インターネットアンケート
- 調査期間:2019年5月16日 (木)~ 2019年5月21日(火)
- 有効回答者数:6,180名
- 回答者の属性(性別):男性54.8%、女性45.2%
- 回答者の属性(年代):20代以下7.7%、30代15.2%、40代20.4%、50代19.2%、60代以上37.5%