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富士通、顧客体験の向上のためSalesforceのカスタマーサービス向け生成AIの採用を決定

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 セールスフォース・ジャパンは、富士通が、Salesforceのカスタマーサービス向け生成AI「Einstein for Service」の採用を決定したことを発表した。これにより富士通は、Einstein for Serviceを活用することで、コンタクトセンターの効率化と高度化を図り顧客体験のさらなる向上を目指す。

 富士通が検証したEinstein for Serviceの機能は次のとおり。

  • サービス返信(Service Replies):顧客からのチャットでの問い合わせに関する返信内容の推奨案を、データやナレッジベースに基づきAIが自動生成する
  • 会話サマリー(Conversation Summaries):カスタマーサービスにおけるオペレーターと顧客の会話内容の要約をAIが生成する

採用決定の背景

 富士通は社会課題解決を起点として、クロスインダストリーで企業のビジネス成長と、サステナビリティ・トランスフォーメーションの実現を目指すデジタルサービスを提供している。同社のグローバルビジネスアプリケーション事業本部では、顧客窓口のひとつであるSalesforceサポートデスクにて顧客体験のさらなる向上を目指している。その取り組みの一環として、2023年8月よりEinstein for Serviceが先行リリースされていた北米インスタンスで環境を準備し、富士通およびFujitsu North America, Inc.にて、SalesforceのEinstein for Serviceについて、日本の同サポートデスクでの運用を想定した機能検証を行っていた。

 検証の結果、サービス返信(Service Replies)によりサポートデスクのオペレーターの平均処理時間(Average Handling Time: AHT)は89%削減。また会話サマリー(Conversation Summaries)により平均後処理時間(After Call Work: ACW)は86%削減した。

 これを踏まえ、富士通はさらに日本語環境での実検証に向けて取り組みを推進。2023年12月にSalesforce Service Cloudの生成AI機能が国内で一般提供開始されたのち、採用を決定し、日本語環境での検証を開始した。英語での検証結果に近い導入効果を目指し、本格運用は2024年度前半を計画している。

運用のポイント

 富士通では、コンタクトセンターでの生成AI活用に向けた運用のポイントを整理した。

  • 過去の質問や回答をナレッジとして残し、それらを顧客からの問い合わせ返信内容の推奨案として生成する際にグラウンディングとして活用する
  • チャット対応するオペレーターが一問一答に誘導し、AIが正しい回答を生成しやすくする
  • 会話内容の要約生成に関しては、内容が正しいかどうかを人の目で必ずチェックし修正・加筆する

 これらの作業の継続により、生成AIの作成する回答やサマリーの精度向上が見込まれる。

富士通 グローバルビジネスアプリケーション事業本部 本部長 桐生卓氏のコメント

 富士通ではSalesforceをはじめとしたビジネスアプリケーションのご提供で、お客さまの“サステナビリティ・トランスフォーメーション”を加速させるご支援をしております。運用中のSalesforceサポートデスクではいち早くEinstein for Serviceの実証実験をし、生産性向上に大きなメリットがあることを確認できました。顧客体験の向上に前進できることを大変嬉しく思います。Salesforceのパートナーとして、自社実践で得られたノウハウと運用ナレッジをもとに、Einstein for Serviceの活用やコンタクトセンターコンサルティングを始めとしたソリューションの提供・支援をしてまいります。

Salesforce 専務執行役員 製品統括本部長 三戸篤氏のコメント

 この度、富士通様にSalesforceのEinstein for Serviceの信頼性と利便性を評価いただき、ご採用いただいたことを大変喜んでいます。Salesforceは、CRM+AI+データ+信頼を提供することで、顧客企業とそのお客様がつながることを支援しています。この度、弊社のお客様でありパートナーでもある富士通様にSalesforceの生成AIをご活用いただくことで、さらに多くの企業にそのメリットを提供するための協業を続けるとともに、弊社でもその支援に注力してまいります。

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