Sansanは、TBMにおける営業DXサービス「Sansan」および「Sansan Data Hub」の活用事例とその成果を発表した。
サービス導入の背景
新素材メーカーであるTBMは、石灰石を主原料とした新素材「LIMEX(ライメックス)」や、再生材料を50%以上含んだ素材「CirculeX(サーキュレックス)」など環境配慮型の素材および製品の普及をはじめ、資源循環に関連する事業を展開している。
同社ではこれまで、営業やバックオフィスを含め7部門で事業を推進しており、部門ごとに異なるシステムで顧客情報を管理していた。しかし、社会的な環境問題に対する意識の高まりを背景として主力商品の取引社数が急増したほか、事業の多角化や人員・部門の拡大により、顧客情報の管理が急激に複雑化。同じ顧客に対して複数の担当者が営業活動をするなど、非効率な業務や機会損失が発生するようになったことで、全社的な顧客データベースを構築し営業活動を効率化するため、2021年に「Sansan」を全社導入した。
その後、レジ・ゴミ袋やクリアファイル、文房具、メニュー表、POPなどの印刷物にLIMEXを使用した製品の販売を強化。2022年にはThe Model型の営業組織づくりを加速するために、マーケティングチームとインサイドセールスチームを新設し、Sansan Data Hubを導入した。
導入後の運用と成果
TBMでは、名刺をはじめとした人脈情報を「Sansan」に取り込み、Sansan Data Hubの名寄せ機能により正規化。さらに会社情報や部署・役職の情報などをリッチ化してSalesforceのデータと統合するシステムを構築している。「Sansan」およびSansan Data Hubを外部システムと連携することによって、顧客情報の一元管理を実現した。
顧客情報管理にかかる工数を削減
TBMではこれまで、月平均で1000枚におよぶ営業活動で得た名刺を管理する際、システムへの登録から企業情報の入力、定期的な情報更新をすべて手作業で実施。また、それらの情報をCSVに落とし込み、Salesforceに取り込む作業がほぼ毎日発生していた。「Sansan」およびSansan Data Hubの導入後は、獲得した名刺をスキャンするだけで顧客情報を登録し、自動で付帯情報の付与とSalesforceへの連携ができるようになり、月148時間に相当する工数を削減した。
顧客アプローチを効率化し、新規商談数を昨年比26%増加
同社ではこれまで、名刺交換の後にアプローチをする際、手作業で付帯情報を入力し、その情報に基づいて優先順位づけを行っていたため、実際にアプローチをするまで数日かかることがあった。「Sansan」上で企業動向をもとにした検索ができるようになり、優先度の高い潜在顧客を瞬時に判断できるようになったことで、翌日には各製品のターゲットとなり得る顧客へアプローチすることが可能になった。さらに、効率的に休眠顧客の掘り起こしができるようになり、新規商談数が1年で26%増加した。
全社横断の顧客データベース構築により、社内コミュニケーションを活性化
同社は営業DXの取り組みにより、属人的な営業活動から脱却し、「Sansan」で全社横断の顧客データベースを構築。各担当者が持つ人脈情報を会社の資産として蓄積し共有が可能になっただけでなく、「Sansan」上に商談履歴を登録することにより、最新のコンタクト状況を共有できるようになった。とくにマネジメントの観点では、上司が部下の営業活動を「Sansan」に登録された情報で振り返ることができ、案件数の管理や内容のフィードバックをすることで、人材育成や社内コミュニケーションの活性化に貢献している。
TBM 管理本部 情報システムチーム 梁田将史氏のコメント
当社では、事業の多角化による人手不足の解消や協業先との連携を進める中、Salesforceの利用範囲の拡大やカスタマーサクセスチームの新設などにより、さらなる組織改革を進めています。その中核として顧客データ基盤となるSansanは、全社で業務を効率化し、営業活動の質を向上させるために不可欠なツールです。さらにSansan Data Hubによって付与される主業情報や業績、役職者情報といったリッチ化情報を活用することにより、ターゲティングとアポイントの質の改善を目指していきます。
サステナビリティ領域のトッププレーヤーを目指す当社は、今後もSansanを活用した営業DXや業務の効率化を推進し、「サステナビリティ革命の実現」に向けて、環境に配慮した素材・製品と資源循環ビジネスを国内外に展開していきます。