BtoBセールスインテリジェンス「Sales Marker(セールスマーカー)」を開発・提供するCrossBorderは、会話サマリーAI電話「pickupon(ピクポン)」を提供するpickuponと共同でPoCを開始した。これにより、BtoBセールスにおけるターゲティングから商談獲得までの一連の業務においてインテント(興味関心)やニーズを把握することで、顧客が求めるタイミングでの適切な営業アプローチを支援する。
共同PoCの背景
Sales Markerは、約500万件の企業データベースとインテントデータ(興味関心データ)を組み合わせて活用できるBtoBセールスインテリジェンス。ニーズが顕在化している企業にターゲットを絞り、広告・メール・フォーム・コールといったマルチチャネルを活用しながらアプローチする営業手法「インテントセールス」を実現する。
一方「pickupon」は、顧客と電話で話した内容からAIが課題やニーズを抽出し、テキスト×音声のサマリーを作成して自動で入力・共有するサービス。インサイドセールスやフィールドセールスなどの業務において、顧客のインテントの把握を支援する。
従来のセールス業務では、顧客のインテント(興味関心)やニーズを把握できないことで、次のような課題が生じていた。
- 顧客の興味関心レベルにかかわらずターゲット企業のリストに手当たり次第な営業を行う
- 電話での会話はセールス個人の解釈に依存し、ブラックボックス化する
- 営業リスト作成から電話営業、アポイント・商談獲得までの一連のプロセスにおいて、顧客の興味関心やニーズを正しくとらえきれず、営業活動の生産性が低くなる
このような背景からCrossBorderとpickuponは、営業スタイルの変革やセールスオートメーションの実現を後押しするため、Sales Markerと「pickupon」の連携によるPoCを開始した。セールスの業務プロセスにおいて一気通貫で顧客のインテント(興味関心)やニーズを可視化し、ターゲティングや顧客への提案内容に活用することで、売り手都合の営業から顧客起点の営業へのシフトを推進。成約率の向上および顧客に歓迎される営業の実現を支援する。
共同PoCの内容
顧客の声を自動的にピックアップする「pickupon」と、顧客のインテントデータ(興味関心データ)を活用したSales MarkerのCTI連携によって共同PoCを実施する。
具体的な検証ステップ
- Sales Marker上で、インテント(興味関心)が高まった企業に対してセールスシグナルが検知され、その企業に対して「pickupon」で架電を実施
- 架電でのヒアリング内容をもとに、「pickupon」上にタグ(生成AIにより自動作成)を付与
- ヒアリング内容から生成されたタグにニーズに基づく情報が含まれる場合、Sales Marker上でもそのニーズを確認できるか検証する
今回の検証により、Sales Markerのインテントデータに基づいたターゲティング精度の評価と、「pickupon」を活用したヒアリングによる顧客のニーズ情報の保有正確性を評価することが可能になる。また「pickupon」上に実装したChatGPT連携により、指定の情報(検討情報や競合情報など)を取得してSales Markerにデータを還元することで、Sales Marker上でのターゲティング精度向上も期待できる。
pickupon 代表取締役 小幡 洋一氏のコメント
CrossBorder社と共に、見込み客のインサイトの解像度を向上させる取り組みは、pickuponのAI技術とSales Makerが融合することで新たな価値を創出する機会となります。このPoCは、効率的なアプローチやコミュニケーション設計を通じて、成約率の向上を実現します。この取り組みが、インテントセールスをさらに加速させ、自由な営業活動の実現に寄与することを期待しています。
CrossBorder 代表取締役 CEO 小笠原羽恭氏のコメント
「顧客起点」の営業が注目されている中で、インテントデータ(興味関心データ)を活用した「インテントセールス」、つまりニーズが高まっている企業に対するマルチチャネルアプローチの重要性が高まっています。その中でも、電話の会話から顧客ニーズを捉えるpickuponとの連携は、まさにSales Markerとのシナジーを発揮できるものでした。この取り組みが顧客起点のアプローチとセールスオートメーションの発展に繋がることを心より楽しみにしています。またSales Markerは、このたびのPoCをはじめとして、今後も様々なセールステックサービスとの連携により、インテントセールスのさらなる発展にも貢献してまいります。