ベネッセホールディングス(以下、ベネッセ)は、人工知能(AI)を活用したグローバル人材情報ソフトウェア企業SkyHive Technologies Holdings Inc.(本社:米国デラウェア 以下、SkyHive社)へ1,000万米ドル(約13億円 ※1ドル130円換算)の出資を行う資本業務提携契約を締結したことを発表した。
本提携により、ベネッセは、SkyHive社が持つAI技術をもとに、企業に対して従業員のスキルの可視化と分析、リスキリングに適切な学習マネジメント、オンライン学習プラットフォーム「Udemy」をはじめとした学習コンテンツ提供を一気通貫で行うことが可能になり、企業の人的資本経営支援を強化する。
また、SkyHive社が世界で培ったリスキリングによる組織変革の知見を、日本でも活用することが可能となる。
サービス提供イメージ
スキル診断~タレントマネジメントまで人的資本経営に必要なサービスを一気通貫で提供
1・2)SkyHive社が持つ労働市場情報のデータベースとAI技術をもとに、職務経歴書などから従業員が現在持つスキルの可視化を行い、「技術的失業リスク」や「今後のキャリアの可能性」を診断。
3・4)現在のスキルと将来必要となるスキルのギャップ情報をもとに、個人に最適化された学習コンテンツをリコメンド。Udemyやベネッセが提供するその他人材育成サービスによるリスキリングを実施。
5)個人は新たなスキル獲得によりキャリアの可能性を広げ、企業は人的資本経営の強化が可能。
資本業務提携の背景
日本では、少子化による労働力人口の不足が見込まれており、リスキリングが急務とされている。しかし、日本は欧米諸国と比べ、従業員の職務内容が限定されない総合職採用が中心のため、「従業員が現在持つスキル」と「将来必要なスキル」の可視化がしづらく、従業員と組織の間でキャリア設計のミスマッチがあった。
この課題解決に向け、ベネッセとSkyHive社は、従業員が持つスキルを可視化し、企業の人材戦略に合わせた学習マネジメントだけでなく、新たなキャリア機会の創出を図り、組織の競争力向上に向けた取り組みを一気通貫で行う。
資本業務提携による今後の展開
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共同事業開発
SkyHive社の世界規模のデータとベネッセの深い教育知見・強固な事業展開力を掛け合わせることで、新たなプログラムを開発・展開。
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営業販促連携
ベネッセの営業販促力をもって、SkyHive社の持つデータベースシステムを法人向けに拡販。まずはUdemy Business導入企業からサービス提供を開始。将来的には個人や中小企業、自治体などへの展開も検討。
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その他
ベネッセグループにおける人材育成への活用検討など、連携領域やテーマを今後拡大予定。
資本・業務提携にあたってのコメント
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SkyHive Technologies Holdings Inc. 共同創設者兼CEO ショーン・ヒントン氏
ベネッセは日本の教育業界で最も信頼があり、学生の学びだけでなく、多くの社会人に対してもリスキリング支援の実績があり、大きな成功を収めています。教育市場で高い知見を持つベネッセのような世界的パートナーと資本業務提携できたことを嬉しく思います。SkyHiveが持つテクノロジーだけではなく、「リスキリング」という組織変革を実現するための知識を結集し、日本の強力なパートナーとともに世界のベストプラクティスを日本にお届けできることをとても嬉しく思います。
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ベネッセコーポレーション 社会人教育事業本部 本部長 飯田智紀氏
ベネッセの社会人教育事業部は「一生涯の学びを通して社会と人生を豊かに」をビジョンに掲げており、SkyHive様の「世界をリスキルする」というビジョンに深く共感しました。今回の提携により、より多くの日本の皆さまに世界最先端のリスキリング支援を実現できることを嬉しく思います。世界の事例を日本に取り入れるだけでなく、日本の成功事例を世界に送り出し、日本から世界のリスキリングを変えていきたいと考えております。