総合人材サービスのパーソルホールディングスは、人的資本経営における育成・リスキリングに関する企業の取り組み実態調査を行い、その結果を発表した。
本調査は、企業の経営層ならびに人事に携わる人を対象に、人的資本経営に関連する人事施策について調査を実施し、その中から「育成・リスキリング」に関連する取り組みをレポートにまとめたもの。合わせて、リスキリング・デジタル人材育成への取り組み傾向なども記した。
調査概要
- 調査エリア:全国47都道府県
- 調査対象者:
- 25~69歳男女
- 経営者・役員、および会社員(管理職/一般社員)のうち1年以内に人事・採用関連の業務について「最終決裁をする立場」または「選択肢を絞り込む立場」のいずれかにあてはまる人
- 勤務先または経営する企業の従業員規模が30名以上の人
- 企業区分:勤め先(または経営企業)の従業員人数
中小企業(30~499名)/大手・中堅企業(500~4,999名)/超大手企業(5,000名以上)- サンプル数・割付:n=1,000 中小企業/大手・中堅企業/超大手企業
- 調査期間:2022年9月15日(木)~9月16日(金)
- 調査手法:調査会社クロス・マーケティング社によるインターネット定量調査
調査結果
1. 実施している育成施策について
現在実施している育成施策は、「OJTの見直し・強化」が28.1%ともっとも実施割合が高く、次いで、「自己啓発型・公募形式での多様な学習支援」が24.7%、「1on1などによる個の成長支援」が22.2%と、個に応じた育成施策が上位に挙がった。
2. 人材育成への取り組みについて
将来事業を踏まえた人材育成の設計が「十分できている」「ある程度できている」の合計は、「後継者育成・次世代経営層の育成」で40.9%、「マネジメント人材の育成」で41.7%、「AI・DX人材の育成」で33.7%、「高度スキル・専門人材の育成」で35.4%であった。とりわけ、専門性のある分野での人材育成ほど設計が進んでいないことがうかがえる。
3. リスキリング・デジタル人材育成への取り組みについて
リスキリングを進めるうえでの課題は、「配置・処遇との連動が難しい」が31.7%とトップであった。また、「なかなかスキルが向上しない、身につかない」「適切なプログラム構築が難しい」「キャリアパスの提示が難しい」などが続き、それぞれ30%弱の企業が課題であると回答した。