デロイト トーマツ ミック経済研究所は、市場調査レポート「コロナ禍で拡大した国内ビジネスマッチングプラットフォーム市場の現状と展望【2022年版】」を2022年12月に発刊したことを発表した。
同レポートでは、市場としての成長性が高い主要5分野を中心に、2022年10月~2022年12月にかけて市場動向を考察した。計20社の実績を積み上げ、その他ベンダーを推定し、市場規模およびベンダーシェアを集計・分析。また、掲載企業の有料会員数・商談化率・成約率・アクティブユーザー比率などKPI指標を調査・分析し、今後5年間のTAM(商品・サービスの総需要)、SOM(実際に獲得できるであろう市場規模)を分野ごとに推定した。
ビジネスマッチングプラットフォームの市場動向
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ビジネスマッチングプラットフォーム市場の全体動向
2020年度が126億円、2021年度が174億円(前年対比137.9%)、2022年度が228億円(前年対比131.1%)と推移。物流系や建設・建築などの非調査市場では、2020年度が58億円、2021年度が89億円(前年対比150.0%)、2022年度が118億円(前年対比133.3%)になる見込み。
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分野別:総合ビジネスマッチング
2021年度が50.5億円(前年対比168.9%)、2022年度が69.8億円(前年対比138.2%)と推移。コロナ禍により、商談のオンライン化や各業界における既存製品・サービスの乗り換えなどが進み、ビジネスマッチングや比較サイトなど手軽なプラットフォームへの需要が急増したことが背景として挙げられる。
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分野別:製造系ビジネスマッチング
2021年度が49.7億円(前年対比112.7%)、2022年度が57.6億円(前年対比115.9%)と推移。国内市場ではパンデミックや円安によって廃業リスクが高まり、BCP(事業継続計画)に関連したマッチングニーズが高まったことが、海外市場では、地政学リスクへの対応としてサプライチェーンの安定に向けたマッチングニーズが高まったことが背景として挙げられる。
SOM中期予測
ビジネスマッチングプラットフォーム調査市場全体では、2027年度で555億円(2020年度対比4.4倍)と予測。2020年度からもっとも市場の成長指数が高いのは金融系ビジネスマッチング(同7.2倍)であり、M&A・事業承継マッチング(同5.9倍)、総合ビジネスマッチング(同5.8倍)と続く。売上規模の増加額は総合ビジネスマッチング(同143.6億円増)がもっとも大きく、IT系ビジネスマッチング(同126.5億円増)が続く。
2027年度までのTAM
全市場で総額3,400億円と推定。
※同レポートにおけるTAMは、対象企業に対するビジネスマッチングサービスの導入率が100%に達した場合の推定金額とする。