「Yahoo!ニュース コメント」の健全化を目的に導入している「深層学習を用いた自然言語処理モデル(AI)」を活用した「コメントを評価する技術」のAPIを無償提供しているヤフーは、「NewsPicks」、「攻略大百科」、「ママスタコミュニティ」の3サービスが同AI技術を導入したことを発表した。
配信される記事に意見や感想を投稿できる機能「Yahoo!ニュース コメント」を2007年より提供している同社。「Yahoo!ニュース」では健全な言論空間を創出することを目的に、専門チームによる人的なパトロールに加えて、自社で開発した「深層学習を用いた自然言語処理モデル(AI)」を活用することで誹謗中傷などの不適切な投稿を1日平均約2万件削除するなど、不適切な投稿への対策を行ってきた。
加えて、2018年から導入しているのがこの度無償提供された「建設的コメント順位付けモデル」の技術。「深層学習を用いた自然言語処理モデル(AI)」によって、「客観的で、必要であれば根拠を提示している」「新たな考え方や解決策、見識を提供する」などの条件を満たす建設的なコメントをスコアリングし、スコアが高いものの上位表示を実現。これにより、投稿系サービス事業者は、Yahoo! JAPANのAPIを活用することで、自社サービスに投稿されたコメントをAIで評価し、それらを元に自社においてコメントの削除や表示順の並び替えなどを行うことができるため、AI開発に必要となる大量の学習データや計算コストなどの初期投資をかけずに、自社サービスのコメント健全化対策をスタートできる。
活用イメージ
- 表示順の改善:付与されたスコアをコメント表示順の値として利用する
- パトロールの効率化:付与されたスコアが低いコメントを優先してパトロールの対象とする
- レコメンド:スコアが高いコメントが多い記事を優先して表示する