ガートナージャパンは、 デジタル・ビジネス時代において、顧客中心主義で成功している企業に共通する10の習慣を発表。
同社によれば、顧客中心型の企業は、顧客を中心に据え、顧客に固有の課題と期待、およびニーズの背景を理解しながら、 その期待に応える製品やサービスを一貫して提供。顧客中心主義の推進は、 デジタル・トランスフォーメーションの実現に当たって、カスタマー・エクスペリエンス (CX)リーダーや CIOが検討すべき領域のひとつ。
ガートナーによる2019年のCIOサーベイでは、企業が期待するビジネス成果の上位に、CXの向上が挙げられているが、日本企業は、グローバルの先進企業に比べ、 消費者エクスペリエンスを改善するための取り組みが遅れていることが明らかになっている。
ガートナーは、顧客中心主義を推進し、顧客への対応を通じて、ビジネスを成長させている多くの企業には、共通する習慣があることを明らかにした。デジタル・ビジネス時代に 顧客中心主義を進めるために必要な10の習慣には、以下が挙げられられるとのこと。
1. 継続的に顧客の声 (VoC)に耳を傾ける
顧客中心型の企業は、顧客からさまざまな形で提供される個人情報を生かし、効果的なCXを推進している。
2. 顧客からのフィードバックに確実に対応する
リスニングやVoC手法によって顧客から得たフィードバックを顧客とのコミュニケーションにつなげられない企業が多い中、顧客中心型の企業は、フィードバックに確実に対応している。
3. 顧客のニーズを見越し、先回りして行動する
顧客中心型の企業では、より正確で適切な情報を顧客から収集できるようになっているため、 CX担当者は顧客データを使用して状況に応じた効果的なCXを、先手を打って提供できる。
4. 顧客との共感を自社のプロセスやポリシーに組み込む
顧客中心型の企業は、顧客との共感を最初からプロセスやポリシーに組み込んでいる。
5. 顧客のプライバシーを尊重する
顧客中心型の企業は、顧客データをニーズの予測のために活用すると同時に、顧客のプライバシーを尊重している。
6. 顧客の日常生活を通じて価値を提供する
顧客中心型の企業は、顧客の日常に寄り添い、顧客にとっての価値を提供する。
7. エンゲージメントを維持するよう従業員のモチベーションを高める
従業員エンゲージメントが高まれば、企業全体の生産性や従業員定着率の向上、および欠勤の減少などにつながる。顧客中心型の企業は、優れた従業員エンゲージメントを実現し、それをさらに優れた顧客満足へとつなげている。
8. ビジョンを構築し、実行する
顧客中心型の企業は、説得力のあるビジョンを確立し、改善のための体系的なアプローチを展開することで、CXを向上させている。
9. CXの向上に対する責任者を明確にする
CXの計画に責任者がいなければ、どれほど素晴らしい計画であっても実行時に役に立たない。顧客中心型の企業では、CXを担う責任者を置いている。
10. 顧客のニーズや状況に適応する
テクノロジーは、これまでにない速度でビジネスを破壊。デジタル・ビジネスは、リアルタイムで顧客とかかわり、彼らの要求や状況に適応することを意味し、成功している企業はそれを実践している。