リコーは、ニューノーマル(新常態)への対応として、在宅勤務などのリモートワークを新しい働き方として標準化することを発表した。これは、社員の“働きがい改革”の一環として取り組むもの。また、自社で実践するなかで培ったノウハウを顧客にも提供し、ニューノーマルに対応した新しい働き方へのシフトを支援するものだという。
リコーグループは本年3月以降、新型コロナウイルス拡大防止に向けて在宅勤務を最大限活用する働き方を進めてきた。今回、同社社員を対象に、生産性や生活・健康面の変化を調査した結果、回答者の8割以上の社員が在宅勤務でも「生産性は維持・向上した」と回答したほか、生活面、健康面でも「維持・向上」の割合が高いという結果となった。
同社ではこうした結果を踏まえ、在宅勤務などのリモートワークを新しい働き方として標準化するガイドライン「これからの働き方ガイド創ろう!My Normal」を国内同社グループ向けに発行。同社社内向けには、社員調査の結果から導き出した職種ごとの最適な出社率を設定しており、本社をはじめとするスタッフやソフト開発部門、システムエンジニアなどの職種では30%、これまでリモートワークが難しいとされてきたハードウエア開発や生産関連の間接部門においては50%以下を最適な出社率としている。これにより、全社一律ではなく、職種や仕事内容にあわせて柔軟に出社とリモートワークを組み合わせた最適な働き方を実践する。
リモートワークを推進するため、同社では10月以降、人事制度を順次変更していく。対象者や利用日数に関する制約を撤廃し、自律的に働ければ誰でもリモートワークができるようにする。また、社内外のサテライトオフィスの活用をより一層推進するほか、集中して業務出来る場所であればどこでもリモートワークを可能とすることで、セキュリティに気をつけながら自ら働く場所を選ぶことが可能になる。
オフィススペースに関しても、これまでのひとり1席の考え方をあらためて全面的にフリーアドレスを展開するとともに、オフィスで働くことの意味や価値を考えて、新しい働き方に適応したオフィススペースへと変更していくとのこと。
さらに、オフィスに出社しなくても業務を遂行するためのインフラ整備やルールの見直しを進めるなど、アナログな業務プロセスを徹底的にデジタルに変換することで、オフィスはもちろん、開発や生産などの現場も含めた社内のデジタルトランスフォーメーションを加速させていく考え。