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NTTデータ経営研究所ら、「ワーケーション」の効果検証実験実施 従業員の生産性と心身の健康向上に寄与

2020/07/31 05:00

 NTTデータ経営研究所、JTB、日本航空(JAL)は、慶應義塾大学 島津 明人教授の監修のもと、新しい仕事のスタイルである「ワーケーション(Workcation)」の効果検証実験を実施した。実証実験の第1弾として、カヌチャベイリゾートが運営するカヌチャリゾート(沖縄県名護市)でワーケーション実証実験を行った。

同実証実験結果のポイント

 ワーケーションを行うことで次のような生産性・心身の健康にポジティブな効果があることが判明した。

  1. 経験することで、仕事とプライベートの切り分けが促進される
  2. 情動的な組織コミットメント(所属意識)を向上させる
  3. 実施中に仕事のパフォーマンスが参加前と比べて20%程度上がるだけでなく、終了後も5日間は効果が持続する
  4. 心身のストレス反応の低減(参加前と比べて37%程度)と持続に効果がある
  5. 活動量(運動量)の増加に効果がある(歩数が参加前と比べて2倍程度増加)

 近年の働き方改革の推進により働き方は多様化し、自宅やコワーキングスペースなどオフィス以外の環境で働くスタイルは定着しつつあるなか、コロナ禍を経験したことで多くの企業において在宅を中心としたリモートワークが急激に普及し、終息後も在宅勤務にシフトすることを表明する企業も出てきている。

 その一方で、従業員の心身の健康、および生産性を考慮しない働き方施策は特に健康経営を推進したい企業にとってリスクとなり得る。しかし現状では、多くの企業がそうしたリスクを正確に把握できておらず、解決策が見えないまま働き方施策を試行錯誤している状況だという。

 そこでテレワークと心身の健康・生産性を両立できる働き方として注目されているのが「ワーケーション」。リゾート地や地方などの普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇取得などを行う仕組みであり、環境省からも設備・環境の整備を進めるなど新たな観光需要の創出が期待されている新しい働き方だという。

 しかし、ワーケーションが実際の労働生産性や心身の健康に与える効果・効用に関しては定量的研究が存在しないことから、経営者や人事担当者はエビデンスに基づいてワーケーションの推進判断を行うことが困難で、制度や支援の普及も進んでいない状況にあった。

 そこで、ワーケーションの効果・効用に関するエビデンス獲得ならびに効果的なワーケーション施策の策定・普及を目的として、脳科学の見地から科学的な労働生産性向上のコンサルティングを行うNTTデータ経営研究所、ニューノーマル時代のワーケーションを提案するJTB、従業員向けのワーケーションをいち早く制度として取り入れてその社内外への普及と地域活性化を目指すJALが連携し、ワーケーションの科学的研究を開始することとなった。

 今後は、今回の実証実験のスキームを活用し、自治体や企業に対して効果検証支援を行うとのこと。より多くのデータが集まることで、どのような人が、どのような人(職場のチームなど)と、どんな環境で、どんなアクティビティをともなったワーケーションを実施するとより効果的なのかといった踏み込んだ内容についても明らかにしていきたい考え。



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