マーケティング、営業、カスタマーサービスのための統合ソフトウェアを提供するHubSpot Japan株式会社は、提供する顧客関係管理ソフトウェア「HubSpot CRM」および営業支援ソフトウェア「Sales Hub」と、freee株式会社の提供する「クラウド会計ソフト freee」とのAPI連携が可能になったことを発表した。HubSpot製品が日本の会計ソフトと連携するのは今回が初となる。
freeeはHubSpotのApp Partnerとなり、freeeが開発した連携アプリ「freee for HubSpot」はHubSpot App Marketplaceに掲載されている。
顧客がサービス・商品を購入したり利用したりする過程には、売り手となる企業内のさまざまな部署が関わるが、一般的に顧客と直接関わるフロントオフィスと経理などのバックオフィスでは業務に使用するツールが異なるため、取引情報などを互いに同期し続けるには社内のコミュニケーションコストがかかる。
freeeが提供を開始した連携アプリfreee for HubSpotを使うと、フロントオフィスが利用するHubSpot CRMやSales Hubとバックオフィスが利用する会計freeeの間で、請求に関わる各種データを自動または手動で同期することが可能に。また請求書発行は主に営業部門が担当する業務だが、会計freeeから同期されたデータはHubSpot CRMのアカウントを持ち、当該企業のデータ閲覧権限を付与された担当者であれば営業部門以外に所属する従業員でも確認できる。
これにより、営業担当者が最新の入金状況を把握したり、マーケティング担当者が顧客への請求書発行回数に応じたマーケティングキャンペーンを設計したり、カスタマーサービス担当者が顧客への請求書発行状況を確認したうえでサポートを行ったりできるようになる。
今回のAPI連携で利用できる機能は次のとおり。
- HubSpotの「会社」レコードを、会計freeeで請求書の管理をするために必要な「取引先」マスタに同期
- HubSpotの画面上で会計freeeの請求書を作成
- 会計freee上で捕捉した請求書への入金情報をHubSpotに同期
また、API連携には以下のソフトウェアが必要となる。
- HubSpot CRMまたはSales HubのProfessional以上のプラン
- クラウド会計ソフトfreee(法人向け)ベーシック以上のプラン
- 連携アプリfreee for HubSpot
HubSpot CRMは、HubSpotが提供するすべてのHubに無償で付属する製品のため、Sales Hub利用ユーザーは自動的にHubSpot CRMの機能を利用することができる。なお、Sales Hubを利用せず無料のHubSpot CRMのみを会計freeeと連携する場合、会計freeeに同期できるデータの一部に制限がある。