管理職のための社外メンター1on1サービス「メンターズ」の提供を行っているフルートは、社内1on1の質や従業員エンゲージメントの向上に向けた、大規模言語モデル(LLM)と機械学習に基づく「社内1on1アセスメントサービス」の提供を開始することを発表した。なお、当サービスはAI Innovation & Deployment Team “ment AI”(以下、ment AI)との共創により開発した。
リリースの背景とサービスの特徴

社内1on1アセスメントサービスは、AI(LLMおよび機械学習)を活用し、独自化・孤立化しがちな社内1on1に対し、共通の基準による分析を行い、その結果をもとに、改善に向けたアドバイスを生成し、さらに、社内全体の1on1の解析結果をもとに社内でどのような1on1が行われているかを概観することで、1on1施策のさらなる改善を支援するサービス。
近年、人材の流動化に伴い、従業員へのきめ細かなケアが求められ、その重点的な施策として社内1on1を多くの企業が導入している。一方で、メンター(上司側)の1on1スキルには個人差があるにも関わらず、1on1の性質上、第三者の介入が難しいことから1on1の品質の客観的な評価に基づく改善は困難だった。
この課題を解決すべく、社内1on1アセスメントサービスでは、1on1の音声データを心理学やマネジメント理論などのさまざまな分野の専門的な背景知識や、1on1に必要なスキルなどの外部知識を取り入れたLLMで分析する。LLMは1on1データの分析結果から、改善に向けたアドバイスをレポート形式で生成する。これにより、人の手を介さずに、これまで2者間で行われていた社内1on1の質の向上に向け、メンター(上司)の1on1スキル向上と、メンティ(部下)の課題解決とのそれぞれに対して、客観的なアドバイスを提供する。
また、社内1on1アセスメントサービスでは、1on1面談の音声データからLLMが抽出した特徴量をもとに、機械学習技術「1on1カテゴライズAI」が、個々の1on1面談を「楽しい会話で終わっている」「悩みや課題の共有と解決に向けた相談が十分なされている」などのカテゴリーに分類する。社内で実施された1on1データ全体を解析することにより、会社全体や、部署ごとの1on1の実施傾向を把握することが可能になる。さらに、各カテゴリーの1on1の特性や頻度分布を考慮することで、1on1施策の改善に向けた適切な方針の策定が可能になる。これらの機能により、社内1on1アセスメントサービスは、データを根拠としたエンゲージメント施策の立案や従業員へのケアに貢献する。
フルート 代表取締役 菊池裕太氏のコメント
ピープルマネジメントの領域はブラックボックスになりがちだからこそ、まだまだ多くの伸びしろ、無限の可能性があります。1on1もその傾向が顕著ですが、AI(LLMおよび機械学習)を活用して共通の基準による分析を行うことで、独自化/孤立化しがちな社内1on1において、メンター(上司)の1on1スキル向上と、メンティ(部下)の課題解決とのそれぞれに対して、客観的なアドバイスが提供可能になります。
今回のment AIとの取り組みがマネジメントや対話に悩み、苦しむ人にとっての光となり、個人のワークエンゲージメントと企業の生産性が向上する一助となれば幸いです。
私達は今後も、テクノロジーの力で、働く人のパフォーマンスを最大化する仕組みを開発・提供することを進めるとともに、社会課題の解決に向けた新たな価値創造を目指してまいります。
ment AI 代表のコメント
「メンターズ」の株式会社フルート様と、私たち “ment AI” の AI技術を活用した共創により、企業で働くたくさんの方々の社内1on1の質の向上、コミュニケーションの改善、エンゲージメント向上のお役に立てることを嬉しく思います。
今回私たちは、LLMによる分析だけでなく、独自アルゴリズムの機械学習を組み込むことにより、エンゲージメント施策の立案や対処に役立てるデータの解析とアウトプットを可能と致しました。
この技術により、働く方々の「やりがい」や「生きがい」を醸成し、より良い社会の実現に貢献していきます。