バーチャレクス・コンサルティング(以下、バーチャレクス)は、「カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」を実施し、2025年版の調査結果第一弾をまとめた。同調査は2019年から毎年実施しており、今回で7回めとなる。

カスタマーサクセス認知・理解状況

「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがありますか?」と質問したところ、「聞いたことがある」人は全体の21.9%、「聞いたことがない」と回答した人は78.1%という結果になった。


また「聞いた事がある」人の中で、カスタマーサクセスとは何かを理解している人の割合は全体の2.8%(昨年から+0.3ポイント増)という結果になった。
2019年からの推移を見ると、「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがある」という人の割合は徐々に増加している一方、まだその言葉自体が知られていないことがわかった。また「カスタマーサクセスの意味を理解している」人の割合についても少ないという結果になった。

役職別でカスタマーサクセスに対する認知および理解を見てみると、企業のトップを務める人たちの78.6%が「カスタマーサクセスという言葉を聞いたことがない」という結果になった。
トップ層においてカスタマーサクセスを理解していると答えた人は4.6%、理解度がもっとも高かったのは執行役員・本部長・事業部長層で12.3%となった。
カスタマーサクセス導入・取り組み状況

次に実際の取り組み状況を見た。カスタマーサクセスという言葉を認知している1万2,111人に対して、「勤務先でカスタマーサクセスに取り組んでいるか」と質問したところ、「取り組んでいる部署、または担当者がいる」と答えた人は49.5%と昨年より0.3ポイント減、取り組みの予定がある人については7.7%と昨年より1.2ポイント増という結果だった。15.2%の人は「取り組む予定もない、かつ必要性を感じていない」と回答した。

さらにサブスクリプション型商材取り扱い有無別で見てみると、カスタマーサクセスに取り組んでいるサブスク商材取り扱い企業は76.4%、さらには「今後取り組む予定」である人が9.6%、「必要性を感じている」と回答した人は7%という結果になった。

一方、サブスク商材を扱っていない企業においては、カスタマーサクセスの取り組みを行っていると答えたのは34.8%で、「必要性を感じない」「わからない」層が相対的に多いことがわかった。
直近3年間におけるカスタマーサクセス取り組み進捗状況

図8は、カスタマーサクセスを社内で取り組んでいると答えた人に対して、直近3年間でその取り組みが進んだかどうかを聞き、結果を2023年から2025年までの経年で示したものである。2025年は「非常に進んだ」と答えた人が13.9%、「まあ進んだ」と答えた人が32%、「どちらかと言えば進んだ」という人が39%と、全体で84.9%の人がこの3年でカスタマーサクセスの取り組みが進んだとしているが、昨年よりは微減した。2025年のデータでは約4割が「どちらかといえば進んだ」と回答した。
顧客対応領域におけるAIの活用状況


カスタマーサクセスを導入している企業、未導入企業それぞれに「顧客対応領域」においてAIをどの程度活用しているのかを質問したところ、カスタマーサクセス導入企業では約8割がAIを何らかの形で導入・活用しており、そのうち約3割は「大部分でAIを活用」と、未導入企業の7.7%を上回った。また、カスタマーサクセス導入企業のうち「AI活用・導入予定なし」と答えた人は4.7%であった一方で、カスタマーサクセス未導入企業では19.2%と約4倍になった。
【調査概要】
「2025年カスタマーサクセス日本市場動向&実態調査」
調査方法:インターネットアンケート
調査実施期間:2025年2月21日~2月26日
対象地域:全国
対象者:20歳から65歳の有職者(契約社員、派遣社員、パート・アルバイト、個人事業主・フリーランス、専業主婦・主夫、家事手伝い、学生をのぞく)6万4,138人