「営業の低難易度化」で現場への浸透をブースト
顧客起点営業の重要性は理解できても、次の段階で「現場への浸透」という課題が発生する。的確なフレームワークを設計しても、実行されなければ何も変わらない。「顧客起点の営業を実践した一部のメンバーだけが成果を得る」という属人化が加速する一方である。顧客起点営業が現場に浸透しない理由として、勝部氏は「営業の再現性を高めるための仕組みのどこかが抜けているから」と説く。
実際にスマートキャンプも、初期の浸透フェーズで難しさを感じたという。
「顧客の購買プロセスに沿って営業しようとしても、営業1人ひとりでとらえ方も異なり、それがうまくいっているのかいないのか、数値ベースで測りにくいという問題に突き当たりました」(石黒氏)
この問題を解決するにはまず営業プロセスの全体像を知る必要がある。そのためにSALESCOREが活用しているのが「Sales Enablement map」だ。カスタマーパスが売れるメカニズムを“解明”するためのものであるのに対し、同マップはそれを営業組織が“実現”する仕組みをつくり、定着させるためのフレームワークとなる。
顧客起点の営業を成功させるためにはメカニズムとプロセスが重要になるが、次に重要なのが「売れるメカニズムと設計されたプロセスに沿って、営業のメンバーが実行するための仕組みをつくること」、つまり「営業の低難易度化」であるという。
「スキルの話になりがちですが、まず仕組みを整えていくことが大切なのです。設計したものをあたりまえに実行できる、実行自体が難しくないという環境をつくっていく必要があります」(勝部氏)
2回めの商談はあるか?「やり切る組織」が掲げた指標
仕組みを整えたうえで、最終的にはその仕組みを“実行”することが重要になる。これをSales Enablement mapでは「正しくやり切る組織風土をつくる」と表現する。スマートキャンプはそれらの方法論の実践を経て変革に至ったが、その過程では複数の壁があったと石黒氏は明かす。とくに、現状の営業活動がうまくいっているかどうかを判断する仕組みを整える部分が難しかったという。
そこで石黒氏は、売れるメカニズムと自らの経験をもとに、マネジメントラインで見るべき項目と数値を決め、「SALESCORE」のダッシュボードを使って一連の流れで把握できるようにした。
「営業メンバーがダッシュボードを見た際に、どこがうまくいき、どこが駄目かを把握できるように可視化して仕組み化し、いつモニタリングするかまで決めました。数値を可視化するときには、マネジメント側が見たい数字を可視化するのではなく、販売促進や目標達成につながる可能性が高い項目を意識的に可視化することで、メンバーが毎日、毎週見るような形に設計できました」(石黒氏)
その中で石黒氏は、ポイントとなった指標として「2回めの商談に行ったか」を挙げる。
「初回商談時に課題の整理がしっかりできていないと、2回めのアポイントにつながりません。顧客が2回めのアポイントを設定してくれているということは、課題の整理ができ当社の商材が解決に適していると思われていることなので、この指標を設けたのは大きかったと言えます」(石黒氏)
セッションの最後に勝部氏は、スマートキャンプの取り組みも支えるSaaSプロダクト「SALESCORE」に言及した。ダッシュボード機能を実装し、Sales Enablement mapの最終プロセスである「正しくやり切る組織風土」づくりを支援する製品だという。
「『SALESCORE』を導入し、顧客起点で進めるために見るべきさまざまなKPIや、KPIを前に進めるためのアクション指標など、マネジメントしなければならない指標・数値を管理して、予実管理やアクションの結果の記録を即座に行うことで、営業パーソンのピュアセールスタイムを損なうことなくPDCAを回せるようになります。我々はツールとコンサルティングを通じ、皆様の仲間として、顧客起点の営業をより高いレベルに持っていく支援をします」(勝部氏)
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