営業組織の「中央値」を高める投資のあり方とは
ナレッジワークでは、セールスイネーブルメントの対象領域を4つに分類している。
- ナレッジ領域:コンテンツがすぐに使える状況を整える
- ワーク領域:一定のゴールにたどり着くためのプロセスを明確化する
- ピープル領域:スキルを定義・可視化して人材の成長をキャッチアップする
- ラーニング領域:学習プログラムを設計する
ここで桐原氏は「ぜひ皆さんに持ち帰ってほしい考え方」として、営業に対する投資をどうとらえるべきか解説した。2010年代以降の日本では、SFA/CRMの導入など営業管理(セールスマネジメント)を目的とした投資が行われた。しかし営業管理は現場の入力負担が大きいうえに、現場へのリターンも実感しづらい。現場が求めているのは営業支援(セールスイネーブルメント)への投資だが、もともとハイパフォーマーとして活躍し、現在は現場から離れてしまった管理職は、この実情を把握し切れていないことが多いという。
成果を出している大手企業は、営業現場の実態や要望を把握したうえで投資の意思決定を行っている。営業管理と並行して、営業現場の日々の活動を手助けする「営業支援(セールスイネーブルメント)」にも投資すべきだと桐原氏。そうすることで、情報収集やマネジメントにかかる工数が削減され、営業組織が生み出す成果の「中央値」が向上すると強調した。